令和3年度施政方針-2-その1

更新日:2021年2月9日

予算編成と主要事業の説明

予算編成の説明

 それでは、令和3年度予算案の概要を申し上げます。

 一般会計予算は1,610億1千7百万円で、対前年度比34億2千万円、2.2%の増となっております。

 歳入予算では、個人・法人市民税の減収により市税が大幅に減額するものの、財政調整機能の役割を担う地方交付税や臨時財政対策債で大幅な増額を見込んでおります。また、沖縄振興一括交付金(ソフト・ハード)などの減額を見込む一方、国庫支出金についてはワクチン接種対策費などにより、大幅な増額となっております。

 歳出予算では、引き続き、感染症対策を講じながら、子どもの政策分野や経済分野に重点的予算を計上するほか、デジタル化への対応、新文化芸術発信拠点施設や市営住宅等の建設事業、学校教育関連事業など、各分野へ幅広く予算を計上しております。

 結果として、約17億6千2百万円の収支不足が生じておりますが、財政調整基金から同額を取り崩して対応いたします。

 企業会計を除く特別会計予算は、総額約719億1千万円で、対前年度比約4億4百万円、0.6%の増となっております。特別会計予算の増額は、主に介護保険事業特別会計、後期高齢者医療特別会計によるものとなります。国保特会の財政赤字に対しては、引き続き一般会計からの政策的な繰り入れを行います。

主要事業の説明

 次に令和3年度の主な事業を、第5次那覇市総合計画で掲げた5つのめざすまちの姿に沿ってご説明いたします。
 今回の予算編成では、全庁でSDGsに向き合うため、17のゴールと各事業の紐づけを行っております。
 SDGsは、自治体の目指す方向そのものであり、第5次総合計画を着実に推進することが、そのゴールに繋がるものと考えております。
 今後とも、「誰ひとり取り残さない」という理念を心に刻み、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 しばらくは、新型コロナウイルスの感染状況による制約もありますが、全ての事業が滞りなく実施できるよう鋭意努めてまいります。
 それではまず、「多様なつながりで共に助け合い、認め合う安全安心に暮らせるまち NAHA」に係る事業についてご説明いたします。

「多様なつながりで共に助け合い、認め合う安全安心に暮らせるまち NAHA」

(小さな「わ」が大きな「Wa」に広がる協働によるまちづくり)

 地域活動がコロナ禍によって厳しい状況の中においても、市内全域での小学校区まちづくり協議会の設立を目指し、地域に寄り添いながら人的・財政的な支援を継続して取り組みます。
 地域の課題解決につなげることを目的に、ボランティアを希望する人材とそれを求める団体を人材データバンクに集積し、マッチングを図ることにより、多様な人材が活躍する市民社会の実現を目指します。
 市民の交流や活動機能を備えた小禄支所の建替えについては、本体工事に着手し、令和4年度の完成を目指します。
 また、新真和志支所複合施設については、真和志地域の活性化の核となる施設整備に向け、事業手法の検討調査などを進めてまいります。

(地域の力が重なる安全安心のまちづくり)

 安全で快適な生活環境の実現のため、地域団体が設置する保安灯に加え、防犯カメラの設置費用も補助します。
 生活に困窮している方に対して、生活保護に頼らない経済的自立に向けた計画の実施を伴走型で支援します。
 また、消費者被害の拡大防止、啓発活動・消費教育に取り組む相談体制の強化を図ります。併せて、外国人が安全安心に暮らせるよう、住民登録や医療、子育て等生活に係る一元的な相談窓口の充実に努めます。
 消防力強化のため、小禄支所との合築により新設する「仮称・小禄南出張所」建設工事に着手します。
 観光客や市民が迅速かつ的確に避難場所が分かるよう、避難所標識を整備します。
 避難所においては、感染症対策資器材として簡易テントやマット等を整備することにより、避難所生活における質の向上に努めるとともに、発災時に備え、引き続き備蓄品整備に取り組みます。

(交流の輪を広げ平和を希求するまちづくり)

 平和の発信場所である恒久平和のモニュメント「なぐやけ」に、多くの人が訪れてもらえるよう誘導サインを設置します。
 旧那覇飛行場用地問題の解決に向け、引き続き「仮称・大嶺コミュニティセンター」の整備に取り組みます。
 川崎市との友好都市提携25周年にあたり、佐藤惣之助詩碑の移設除幕式などを実施します。
 また、福州市とは友好都市提携40周年の節目を迎えるにあたり、相互理解と友好な親善交流に取り組みます。

(人権が尊重され、誰もが心豊かに安心して暮らせるまちづくり)

 第4次那覇市男女共同参画計画を推進し、人権や一人ひとりの個性、性の多様性を尊重する社会づくり、女性の活躍の場を増やすための取組などを進めます。 
 また、中学1年生を対象にいじめやデートDV防止への意識啓発を行うとともに、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」では、拉致問題等に関するパネル展を実施し、人権の尊さを発信します。

「互いの幸せを地域と福祉で支え合い誰もが輝くまち NAHA」

(地域で暮らし地域で支えるまちづくり)

 地域で悩みを抱える方が孤立しないよう、声かけ等の訪問活動を行う「地域見守り隊」の結成充実を図り、誰もが安心して生活できる地域づくりに取り組みます。
 災害時に避難行動要支援者が迅速に避難できるよう、個別避難計画書の作成を推進し、福祉避難所の設置数を拡充するなど、避難支援体制の構築を図ります。
 地域包括ケアシステムの構築に向け、地域ケア会議を通じ、様々な専門職や地域住民及び企業の方々と協働して、地域課題の把握や必要なサービス創設などに取り組みます。
 65歳以上の加齢性難聴者の生活の質の向上を図るため、補聴器購入費用の一部支援事業を開始します。
 また、日常生活用具のひとつである紙おむつの給付対象要件を療育手帳重度の所持者へ拡充し、知的障がいのある方の負担軽減を図ります。
 全国と比較して深刻な状況にある子どもの貧困問題に緊急的に対応するため、庁内に専門の支援員を配置するとともに、実情に応じた子どもの居場所を設置し、子ども達の自立に向けた支援に取り組みます。

(すべての人が健康で生き生きと暮らせるまちづくり)

 那覇市健康増進計画「健康なは21(第2次)」の推進とともに、「新型コロナウイルスに負けないからだづくり」の実践を事業所や関係機関と連携し、働き盛り世代の健康課題の解決に向け支援します。
 健康・長寿県おきなわを取り戻すため、市民が健康づくりや生涯にわたって運動を楽しむことができるよう、健康ウォーキング大会や講座を開催します。
 生活習慣病の予防、がんの早期発見及び早期治療を目的に、職場等で受診機会のない市民を対象に、がん検診や肝炎ウイルス検診等を実施します。
 国の制度拡充等を受け、不妊症や不育症の方の経済的負担軽減のため、治療費や検査費用を支援します。
 児童・生徒のむし歯有病率を踏まえ、2歳児の総合的な歯科健康診査を実施するとともに、小中学校でのフッ化物洗口を安全面に配慮しながら推進します。
 那覇市自殺対策計画に基づき、関係機関との連携会議や周知啓発のためのパネル展の開催、心理士による相談窓口の開設など、自殺死亡率の低減を図ります。

(身近な地域で良質かつ適切な医療が受けられるまちづくり)

 生活習慣病の重症化予防を目的に、医療機関受診が必要な人や治療中の方に対し、受療勧奨及び保健指導を実施します。
 また、高齢者に対する保健事業と介護予防を一体的に実施するため、健康課題を分析し対象者把握に努め、重症化やフレイル予防の健康教育等を行います。
 那覇市立病院の建替えについては、新型コロナウイルスによる影響を踏まえ、設計内容の一部見直しにより感染症対応を強化します。

(衛生的で快適に暮らし、健康危機にも強いまちづくり)

 食中毒の発生を未然に防止するため、市内で製造及び流通する食品等の試験検査などを実施し、食の安全安心を確保します。
 また、全ての食品等事業者にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が制度化されることに伴い、自主衛生管理体制を構築するための取組を支援します。
 結核患者の早期発見や感染拡大防止に繋げるため、私立学校や特別養護老人ホーム等の社会福祉施設などで実施する胸部エックス線の検査費用の一部を補助します。

「次世代の未来を拓き、豊かな学びと文化が薫る誇りあるまち NAHA」

(子育てが楽しくなるまちづくり)

 待機児童の解消を図るため、施設を利用する園児の安全安心な環境整備や必要な保育定員の確保に努めます。
 保育士確保に向けては、働く環境の整備として、年休取得の推進や保育士周辺業務の負担軽減を図る支援を継続するとともに、潜在保育士の復職支援や正規雇用の促進等に引き続き取り組みます。
 公立こども園においても、事務作業の軽減・働き方改革を進めるため、ICTを活用した業務支援システムを導入します。 
 風邪等の病気で保育所を利用できず、保護者が仕事を休めない場合に、病院等の専用スペースで看護師等が児童を預かる「病児保育事業」について、小禄地区への新規開設に取り組みます。
 子育て世代を支援する「ら・ら・らステーション」では窓口に専門員を配置し、各家庭からの相談に応じて情報提供や助言など適切な支援を行うとともに、LINEアプリを活用した相談、情報発信に努めます。
 児童虐待の防止に向けては、子ども家庭総合支援拠点において、世帯に寄り添った相談、訪問等を行うことにより、世帯の実情を把握するなど、継続的な支援に努めます。
 低所得世帯の放課後格差の解消を図るため、学習塾などで使えるスタディークーポンを提供するモデル事業を継続して実施します。

(自らの力で未来を拓く子ども達を応援するまちづくり)

 「GIGAスクール構想の実現」を踏まえ、児童生徒1人1台の端末における新たなICTの効果的な活用を促進し、子どもたちの情報活用能力を豊かに育む取組を強化するとともに、教員研修等を充実させるための支援員を配置します。
 全中学校区に子ども寄添支援員を配置し、コロナ禍により生活環境の変化や学校休業等で不安を抱える児童生徒や保護者に寄り添い、学校や行政機関と連携して必要な支援を行います。
 学校施設については、天妃小学校校舎、識名小学校及び与儀小学校の体育館等の改築工事に着手するなど、引き続き、安全安心な教育環境の整備に努めます。
 教員の業務負担の軽減を図るため、中学校部活動指導員やスクールサポートスタッフを配置します。

(生涯学習を推進し、地域の教育力を向上させるまちづくり)

 那覇市人材育成支援センター「まーいまーいNaha」においては、引き続き人材育成と住民等の学習・交流活動などの支援に努めます。
 放課後等に子どもたちへ多様な体験・交流活動の機会を提供する放課後子ども教室を推進します。
 地域学校連携施設は、地域の方々や団体等をつなぐ場、子育て・健康・福祉サービスを行うコミュニティの拠点として、地域へ開放することに取り組みます。

(郷土の歴史、伝統文化・芸能にふれあい、新たな文化を創造するまちづくり)

 那覇市歴史博物館では、令和4年度の首里城再建開始に合わせ、本市が所有する国宝尚家関係資料のうち、首里城に関連した文書(もんじょ)の一部を翻刻(ほんこく)・公開します。
 また、歴代国王の位牌を安置した重要文化財である崇元寺跡地一帯の適切な保存・活用を図るため、国史跡指定に向けた整備に取り組みます。
 首里城周辺の文化施設等への誘客や受け入れ体制を強化するため、識名園のトイレ増設や首里金城町の大アカギの木道整備などに取り組みます。
 「那覇文化芸術劇場なはーと」では、質の高い舞台作品の公演やアウトリーチ等の事業実施、そして社会包摂に繋がる芸術活動などを通して、新たな価値を生み出すまちを先導します。

関連情報

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