令和7年度施政方針-2-その2

更新日:2025年2月10日

目次(ページ内)

予算編成と主要事業の説明(続き)

主要事業の説明(続き)

「ヒト・モノ・コトが集い、育ち、ひろがる万国津梁のまち NAHA」

(ビジネス・リゾートと歴史・文化が融合する観光まちづくり)

 先月には、国内外から約3,000名が参加した学会が、なはーとをメイン会場として開催され、多くの参加者が本市を訪れました。このような規模での開催は初めてであり、MICE受入れの事例として大いに可能性を感じました。今後も、充実した都市機能が集積する本市の強みを活かした都市型MICEを積極的に誘致し、関係機関と連携強化を図りながら、稼ぐ力を高める取組を推進します。
 本市の重要な伝統行事であり、賑わいを創出する那覇三大祭りについて、那覇の魅力をさらに発信できるよう引き続き支援してまいります。
 読売巨人軍春季キャンプの機能強化及び拡充による更なる観光誘客の促進を図るとともに、市民・県民がスポーツ等に親しむことのできる環境を確保するため、多目的屋内運動場と多目的広場の整備に取り組みます。
 U-18野球ワールドカップの開催に向けて関係機関と協力し、国内外より誘客を図るとともに、市内の子ども達が世界に目を向けるきっかけとなる大会となるように取り組んでまいります。

(様々な産業が集い・育ち・ひろがるまちづくり)

 地域経済を支える多様な職業体験を通して将来の夢や意識醸成を目指し、本市の小学生を対象に昨年実施したアウトオブキッザニアを好事例として、引き続き、キャリア教育支援等に取り組みます。
 人々の動きや流れが把握できる人流データは、市内企業のマーケティング戦略や効率的な販促活動、効果的な観光振興策などへの活用が期待できます。そのデータの収集及び分析、公開方法などを検討し、地域経済の活性化や市民サービス向上につながるデータの提供を目指します。
 本市水産業の拠点である泊漁港周辺地域一帯が秘めるポテンシャルを最大限に引き出すことを目的とした「泊漁港将来像構想」の実現に向け、「(仮称)泊漁港等整備基本計画」の策定に取り組んでまいります。

( 中心市街地を活かしたまちづくり)

 中心市街地を活かしたまちづくりの推進に向け、沖縄の独特な食文化が体験できる第一牧志公設市場の魅力を発信することで、公設市場を含めたまちぐゎーへの誘客を促進してまいります。
 また、商業と観光の両面の振興に資する「(仮称)中心市街地商業等振興計画」の策定に取り組みます。
 加えて、関係部局で構成するプロジェクトチームにおいて、まちぐゎーにおける様々な課題解決を図り、良好な地域環境の確保に取り組みます。

「自然環境と都市機能が調和した住みつづけたいまち NAHA」

(省エネを実践し、資源が循環するまちづくり)

 ゼロカーボンシティの実現に向け、公共施設等の省エネ対策として、各施設の照明のLED化を推進することとし、保健所、老人福祉センター及び公民館・図書館などにおいて器具の取替更新等を行い、二酸化炭素排出量の削減に取り組みます。
 最終処分場である那覇エコアイランドは、令和13年度に埋立容量が満杯となる見通しであることから、隣接地を拡張し、施設整備に向けて取り組んでまいります。

(自然環境が育まれた那覇らしい亜熱帯庭園都市のまちづくり)

 貴重な自然体系を守るため、自然観察会などを通して、環境に対する意識啓発の推進を図ります。
 観光都市としてふさわしい道路空間確保のため、街路樹の剪定や除草及び花木の植栽整備により、亜熱帯庭園都市の景観づくりを推進します。
 誰もが利用しやすいインクルーシブ・ユニバーサルデザインの公園を目指すとともに、災害時においては避難場所として機能する、安全安心な公園づくりを推進します。
 また、公園の機能を高め市民が快適で楽しく過ごせるよう、漫湖公園及び新都心公園において、パークPFIの取組を進めてまいります。

(暮らして良し歩いて楽しい快適なまちづくり)

 中心市街地、真和志地域、新都心地域の3つの拠点を結ぶ基幹的公共交通としてのLRT導入に向けて、引き続き関係機関との合意形成に必要な調査等を行い、継続して協議を進めてまいります。
 新たな「密集住宅市街地再生方針」のもと、「那覇市密集住宅市街地モデル地区整備計画」の策定に向けてモデル地区の抽出に取り組みます。
 「那覇市空家等対策計画」については、本市の空家等の現状や課題、これまでの取組などを整理し、より効果的な空家等に関する施策を総合的に推進するため、計画の見直しに必要な実態調査を行います。
 また、管理不全な空家などの所有者に対し、必要な助言・指導を行うとともに、除却費用の一部補助を行い、住環境の保全を促進します。
 盛土等に伴う災害から人命を守るため、規制区域の指定に係る基礎調査の結果を公表するとともに、既存盛土については現地調査等を行い、安全性の把握に向けて取り組みます。
 崖崩れに対する防災を目的とした民間の対策工事等に対して、必要となる費用の一部を補助します。
 住宅確保要配慮者の専用住宅として登録した民間賃貸住宅等に対して、バリアフリー化にかかる改修費用や高齢者の見守り機器の設置費用の一部を補助し、要配慮者の入居の円滑化を図ります。
 居住機能の再生推進に向けて、引き続き、石嶺・大名・宇栄原・真地の各市営住宅建替事業を推進します。
 衛生的な生活環境が確保されたまちづくりの推進に向け、「なはねこサポーター制度」のさらなる拡充を図り、野良猫の糞尿被害等対策の支援や不妊去勢手術を実施することにより、人と動物との共生社会の実現を目指します。

(災害に強い都市基盤の整備で安全安心のまちづくり)

 安全安心のまちづくりに向け、民間保険会社のドライブレコーダー映像データを基に、AIが道路表面の損傷を自動分析・抽出するシステムを活用するほか、パトロールで発見した道路の損傷状況や位置情報を、効率的に維持管理受託業者とデータ共有できるDX化を図るなど、早期対応による道路の維持管理に取り組みます。
 また、災害に強い都市基盤の整備に向け、石嶺線や真和志線などの都市計画道路、並びに久茂地9号や泊中央線などの各市道において、歩行空間の確保やバリアフリー化等の整備を推進し、安全で快適な道路空間の確保を図ってまいります。
 さらに、老朽化した橋梁について、予防保全型の修繕を計画的に実施します。
 水道施設については、基幹管路の耐震化等を推進し、下水道施設については、汚水未普及地区の解消や重要幹線等の耐震化を進めるほか、引き続き雨水管理総合計画の策定に取り組みます。

(那覇の魅力と特性を活かした土地利用を進めるまちづくり)

 地域の特性を活かし、魅力が高まるまちづくりを目指し、生活サービス機能や居住の誘導と公共交通ネットワークの形成を連携させて取り組む「那覇市立地適正化計画」の改定に向け、これまでの施策の実施状況等の分析及び評価を行います。
 また、那覇軍港の跡地利用については、その特性を活かした本市の発展、ひいては沖縄県の発展に資する計画づくりを目指して、地主会との合意形成や関係機関との連携を深め、取り組んでまいります。
 昨年から、県内経済界が中心となり将来の沖縄の価値を創造し、国際競争力のある新産業創出など、日本を牽引する沖縄経済の実現を目指す「GW2050 PROJECTS推進協議会」が始動しており、同協議会の一員である本市も、引き続き連携して取組を進めてまいります。

「市民との信頼を深め、効率的で効果的な行財政運営を行う」

(市民との信頼を深める職員の育成と組織づくり)
(効率的で効果的な行財政運営を行う)

 市民の多様な要望や要求に的確に対応し、市民サービスのより一層の向上が図れるよう、各種研修等の充実を行い、課題を解決する力と意欲を持った職員を育成します。
 また、行政サービスの電子化により市民の利便性を高める組織づくりを推進します。
 本市の公式ホームページについて、スマートフォンでの利用やオンライン申請システムとのスムーズな連携を重視し、市民にとって利便性や検索性の向上を目指したホームページの再構築を行います。
 市民税や県民税などの税や、後期高齢者医療保険料、市営住宅家賃等の口座振替登録について、WEB上で契約手続きが完結できるサービスを導入します。
 公立こども園において、一時預かり及び延長保育の使用料納付のキャッシュレス化を実施します。
 引き続き、全庁的なDXの取組を着実に進めるとともに、その取組を継続させるため庁内のデジタル人材育成を推進します。
 支所や公民館・図書館等複数の施設を集約した新真和志複合施設の建設を推進し、複合施設及び敷地の一部で整備される民間施設で賑わいと交流の創出を目指して、令和10年度の供用開始に向けて取り組んでまいります。

結びに

 市政運営にかける私の思い、令和7年度の予算案や主要事業の概要などについて説明いたしました。
 最後にもう一言、私の思いを添えさせていただきます。

共に育み、笑顔あふれる「なは」を目指して

 私は学生時代、暑い時も寒い時もひたすら白球を追い続け、手にした一番の財産は、苦楽を共にした仲間との絆でした。今でも、会えば昔話に花が咲くとともに、私が得た大切なものを思い返させてくれます。
 昨年、市議会において、ロサンゼルス・ドジャースをメジャーリーグワールドシリーズ優勝へと導いた、デーブ・ロバーツ監督をお迎えし、「那覇市特別栄誉賞」を授与いたしました。
 ロバーツ監督は、多様な選手一人ひとりを大切にし、各選手の最大限の力を引き出す能力に優れていると評されておりますが、お話しさせていただく中で特に印象に残ったのは、「沖縄の人々は、家族が全てであり、尊敬があり、愛があり、それが私自身であり、私の仕事の全てであり、私は沖縄の人々と共にあります」というフレーズでございました。その言葉に、監督自身がうちなんちゅの持つ寛容性を備え、それが世界にも通用する力になりうるものだということに、改めて感銘を受けました。
 今後、急速な社会情勢の変化や人々の価値観が多様化していく中にあっても、なはに暮らし、働き、集う全ての人々が、お互いを尊び、絆を深め、笑顔に包まれながら市民生活が送れるよう、心をひとつに力を合わせる「和衷(わちゅう)共済(きょうさい)」を胸に全力を投じてまいります。
 市民の皆様並びに議員各位におかれましては、ご理解とご協力を心よりお願い申し上げ、令和7年度施政方針の結びとさせていただきます。

いっぺーにふぇーでーびる。
令和7年2月10日

那覇市長 知念 覚 

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