令和2年度施政方針-2-その1

更新日:2020年2月12日

予算編成と主要事業の説明

予算編成の説明

 それでは、令和2年度予算案の概要を申し上げます。
 一般会計予算は1,575億9千7百万円で、対前年度比107億8千3百万円、7.3%の増となっています。
 歳入予算では、好調な県内景気と様々な徴収努力による市税の増額、さらに、地方消費税交付金や国庫支出金、県支出金等で増額を見込む一方、地方特例交付金や分担金及び負担金で減額を見込んでいます。
 歳出予算では、子ども政策分野や経済分野の重点事業、教育・福祉分野の充実事業等のほか、新文化芸術発信拠点施設建設や学校校舎建設、市営住宅整備など各分野へ幅広く予算を計上しています。
 結果として、約29億2千2百万円の収支不足が生じておりますが、財政調整基金から、同額を取り崩して対応いたします。
 企業会計を除く特別会計予算は、総額約715億6百万円で、対前年度比約1億4千8百万円、0.2%の減となっています。特別会計予算の減額は、農連市場地区再開発の終息による市街地再開発事業特別会計の減額によるものとなっています。
 国保特会の財政赤字については、引き続き一般会計からの政策的な繰り入れを行います。

主要事業の説明

 次に令和2年度の主な事業を、第5次那覇市総合計画で掲げた5つのめざすまちの姿に沿ってご説明いたします。

「多様なつながりで共に助け合い、認め合う安全安心に暮らせるまち NAHA」

(小さな「わ」が大きな「Wa」に広がる協働によるまちづくり)

 市内全域での校区まちづくり協議会の設立を目指し、地域に寄り添いながら、活動中の12校区に加え、新たに3校区程度の協議会設立支援に取り組みます。
 また、地域の課題解決につなげることを目的に、地域の人材とニーズをマッチングさせる那覇市人材データバンク事業を推進します。
 市民活動の拠点機能を備えた小禄支所については、令和4年度の完成に向け、仮支所への移転や現支所の解体工事等に着手します。
 老朽化した真和志支所については、真和志地域の活性化の核となる施設として、中央公民館・図書館、福祉関連施設等との複合化に向け、基本計画を策定します。

(地域の力が重なる安全安心のまちづくり)

 消費者被害の未然・拡大防止に向け、啓発活動及び消費者教育のほか、相談体制の充実・強化を図ります。
 また、外国人が安全安心に暮らせるよう、住民登録や医療、子育て等生活に係る一元的な相談窓口を新たに設置します。さらに、専用のアプリの活用により、広報紙等の多言語への翻訳を行うなど、多文化共生社会の実現に向け取り組みます。
 消防力強化のため、「(仮称)小禄南出張所」及び「(仮称)識名出張所」の建設に向け用地取得等を進めます。
 また、災害対応力を高めるため、災害や気象情報等を配信し、さらに、避難所運営支援、被害情報を一元管理する防災情報システムの整備を進めます。
 引き続き、防災士を育成するとともに、新たに、防災・危機管理の専門的知見を有する地域防災マネージャーを養成します。 
 併せて、大規模災害に備え、水や食料等の災害備蓄の確保や外国人観光客に対応した多言語防災リーフレットを整備するなど、安全安心で災害に強い観光都市を目指します。

(交流の輪を広げ平和を希求するまちづくり)

 戦後75年の節目を迎えるにあたり、沖縄戦の実相や平和の尊さを次の世代に継承し、平和を希求する想いを発信します。
 旧那覇飛行場用地問題の解決に向け、「ともかぜ振興会館」を供用開始するとともに、引き続き「(仮称)大嶺コミュニティセンター」の整備に取り組みます。
 ホノルル市との姉妹都市提携60周年という節目の年を迎えることから、両市を相互に訪問し、今後も一層の相互理解と友好な親善交流に向けて取り組みます。

(人権が尊重され、誰もが心豊かに安心して暮らせるまちづくり)

 第4次那覇市男女共同参画計画を推進し、人権が尊重される社会、多様な性を尊重する社会、ワーク・ライフ・バランスの推進、あらゆる分野への女性の活躍推進、そして暴力のない社会づくりなどに引き続き取り組みます。
 いじめやデートDV防止、将来のDV防止に繋げるため、若年層への人権に関する意識啓発にも取り組みます。

「互いの幸せを地域と福祉で支え合い誰もが輝くまち NAHA」

(地域で暮らし地域で支えるまちづくり)

 災害時に避難行動要支援者の避難を迅速に行えるよう、避難支援についての同意確認や個別避難計画書を作成するなど、避難支援体制の構築に着実に取り組みます。
 医療、介護、介護予防、住まい、生活支援などのサービスを切れ目なく提供する地域包括ケアシステムの充実に努め、引き続き、24時間体制の定期巡回・随時対応型訪問看護介護等の整備を推進します。
 介護保険や老人福祉に関する次期事業計画となる「第8次なは高齢者プラン」を策定します。
 また、屋外での移動が困難な障がいのある重度心身障がい児の通学支援を新たに実施し、引き続き、外出のための移動支援の充実を図ります。 
 貧困問題に起因する、深刻なこども達の様々な課題に対して、支援員を配置するとともに、学校や地域、企業などとの連携を強化し、こども達への支援の輪が広がるよう取り組みます。

(すべての人が健康で生き生きと暮らせるまちづくり)

 健康・長寿県おきなわを取り戻すため、健康ウォーキング大会などを通して、市民が主体的に健康づくりに取り組めるよう継続的に支援します。
 働き盛り世代に健康課題が多いとされた「健康なは21(第2次)」の中間評価を受け、関係機関による職場での健康づくりや「食の健康づくり応援団」の充実・強化を図ります。
 また、子どものむし歯予防のため、2歳児歯科健康診査を継続するとともに、安全面に十分配慮し、保護者の同意を得ながら、全小中学校でのフッ化物洗口の取組を進めます。

(身近な地域で良質かつ適切な医療が受けられるまちづくり)

 AIを活用し特定健診の受診を勧奨することで、市民の生活習慣病予防や医療費の適正化を目指します。
 さらに、生活習慣病重症化予防のため、治療中の方に対しても、保健師などの医療専門職による、生活改善や栄養指導などの健康管理に関する適切な指導を行います。
 老朽化した那覇市立病院の建替えについては、災害に強く、安全安心な医療環境を提供できるよう、病院当局と協力し、その整備に全力を傾けます。

(衛生的で快適に暮らし、健康危機にも強いまちづくり)

 市民や観光客に安定した食の提供を行うため、引き続き、食品等事業者に対し、HACCP(ハサップ)の普及推進を強化します。
 先天性風しん症候群の発生予防を目的に、妊娠を希望する女性等に対し、風しん抗体検査を無料で行い、ワクチン接種を推奨します。
 また、結核の早期発見と感染拡大防止のため、定期健康診断に係る費用等についても支援します。

「次世代の未来を拓き、豊かな学びと文化が薫る誇りあるまち NAHA」

(子育てが楽しくなるまちづくり)

 待機児童の解消に向け、保育所等の施設整備に資する事業を展開するとともに、潜在保育士の復職支援や保育士の離職抑制、正規雇用促進等の事業を実施し、保育士確保に努めます。
 また、年収360万円未満相当世帯の3歳から5歳児のほか、所得に関わらず、第3子以降の子どもの保育施設等での主食費の減免措置を新たに講じます。
 子どもと家庭に関する身近な相談対応として、訪問等を行うとともに、関係機関と連携した支援を通じ、児童虐待の未然防止及び早期発見、早期対応に努めます。
 加えて、学校以外の場所における学びの機会の格差を解消するため、新たにスタディークーポンを活用した事業を実施します。

(自らの力で未来を拓く子ども達を応援するまちづくり)

 全中学校区に子ども寄添支援員を配置し、不登校を始めとした様々な課題を抱えている児童生徒の置かれた環境を確認し、学校や行政など、関係機関と連携して必要な支援を行います。
 また、教員の「働き方改革」を進めるため、部活動指導員を各中学校に配置するなど、学校教育活動の一層の充実や部活動の質的な向上にも努めます。
 児童生徒の県外大会への派遣支援の拡充を図るため、準要保護世帯に対する航空運賃を全額助成するとともに、新たに、助成対象を中学校クラブチームや私立小中学校の児童生徒に拡大します。
 学校施設については、若狭小学校校舎や垣花小学校体育館の改築工事に着手するなど、引き続き、学校施設の改築等を推進し、安全安心な教育環境の整備に努めます。

(生涯学習を推進し、地域の教育力を向上させるまちづくり)

 新たに開館する真和志南地区待望の那覇市人材育成支援センター「まーいまーいNaha」において、観光産業分野等で活躍できる人材の育成とともに、住民等の学習・交流活動などに対する支援も行います。
 学校を核とした地域づくりを目指し、子どもたちの安全安心な居場所づくりとして、放課後子ども教室の充実を図ります。
 また、学校のオープン化を進めるにあたり、地域・学校連携施設を地域の人々や団体等をつなぐ場として提供するため、ICTを活用し、施設の利便性向上と管理負担の軽減に取り組みます。

(郷土の歴史、伝統文化・芸能にふれあい、新たな文化を創造するまちづくり)

 本市固有の文化を継承するとともに、県内で初めて認定された日本遺産を構成する有形・無形の文化財を国内外へ戦略的に発信します。
 また、国宝に指定された琉球国王尚家関係資料の修理を継続的に行い、貴重な文化財を次世代に継承していくとともに、急増する来訪者のニーズに対応するため、世界遺産である識名園等の環境整備に努めます。
 併せて、首里城火災後の首里のまちづくりに向けては、貴重な周辺文化遺産等を含めた計画となるよう、国や県との連携を深めていきます。
 那覇文化芸術劇場「なはーと」の建設を推進し、施設の早期完成に向けて取り組みます。

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