令和6年度施政方針-2-その1

更新日:2024年2月7日

予算編成と主要事業の説明

予算編成の説明

 それでは、令和6年度予算案の概要を申し上げます。
 一般会計予算は、1,747億8千9百万円で、対前年度比61億1千2百万円、3.6%の増で、過去最大の額となっております。
 歳入予算では、主に市税収入は、固定資産税や市たばこ税などの増収、国・県支出金は、市営住宅建替事業やモノレールインフラ外整備事業などによる増額を見込んでおります。
 歳出予算では、引き続き物価高騰に伴う必要な対策を講じるとともに、扶助費などの社会保障費の増加へ対応しつつ、子ども政策や経済分野の充実をはじめ、全庁的なDX推進への対応、市立病院建替事業、市営住宅などの建設事業、学校教育関連事業など、各分野へ幅広く予算を計上しております。
 結果として、約38億9千百万円余りの収支不足が生じておりますが、財政調整基金から同額を取り崩して対応いたします。
 企業会計を除く特別会計予算は、総額約753億3千3百万円で、対前年度比約4億6千9百万円、0.6%の減となっております。特別会計予算の減額は、主に国民健康保険事業特別会計によるものとなります。国保特会の財政赤字に対しては、引き続き一般会計からの政策的な繰り入れを行います。

主要事業の説明

 次に令和6年度の主な事業を、第5次那覇市総合計画で掲げた5つのめざすまちの姿に沿って、ご説明いたします。

「多様なつながりで共に助け合い、認め合う安全安心に暮らせるまち NAHA」

(小さな「わ」が大きな「Wa」に広がる協働によるまちづくり)

 地域活動がコロナ禍前に戻りつつある中、地域のつながりを高めていくため、地域の声に耳を傾け、思いを寄せながら人的・財政的な支援を継続し、市内全域で「小学校区まちづくり協議会」の設立を地域と共に目指します。
 また、社会課題の解決や価値の向上及び創造による持続可能な地域社会の実現を目指し、SDGs達成につながる円卓会議の実施や市民活動団体への助成金による支援を新たに実施します。
 さらに、地域活動の拠点となる自治公民館等コミュニティー施設の建て替えなどに対して補助を行い、地域活性化を図ってまいります。

(地域の力が重なる安全安心のまちづくり)

 市民の安全安心な生活環境を確保するため、保安灯の設置をはじめ各種補助を行うとともに、関係団体と連携して交通安全運動への取組などを推進してまいります。
 消費者被害を未然に防ぐ取組として、啓発活動や消費教育、相談業務などを行い、安全安心な消費生活の確保に取り組みます。
 生活にお困りの方やひきこもり状態の方などの自立を促進するため、「就労準備支援事業」及び「家計改善支援事業」を実施するとともに、生活困窮世帯の転居先確保についても、関係機関と連携して取り組みます。
 外国人が安心して暮らせるように、健康保険、年金、福祉、教育などに関する多言語対応が可能な案内窓口を通して、適切な行政サービスを提供します。
 各種災害へ迅速・確実に対応できる体制を維持するため、「高機能消防指令システム」及び「消防救急デジタル無線」の一体運用に向けた更新事業を立ち上げます。
 防火・防災に関する活動の強化を図るため、女性防火クラブへ引き続き運営補助を行うほか、これまで対面式で実施していた防火・防災に関する講習などをオンラインで実施し、市民の利便性及び普及率の向上につなげてまいります。

(交流の輪を広げ平和を希求するまちづくり)

 姉妹都市である日南市との提携55周年という節目の年を迎えるにあたり、両市を相互に訪問し、交流の輪を広げてまいります。また、友好都市である川崎市が、市制100周年を迎えることから、式典への参加などを通じて友好を深めてまいります。
 国外の友好都市である中国・福州市との交流につきましては、コロナ禍の影響などで見合わせていた児童生徒の派遣を実施し、相互理解を深め、両市の友好発展を推進してまいります。
 沖縄戦体験者の高齢化が進むなか、戦禍の記憶を風化させないため、証言映像を制作し平和学習などに活用することで、沖縄戦の実相や平和の尊さを次の世代へ継承してまいります。

(人権が尊重され、誰もが心豊かに安心して暮らせるまちづくり)

 市立中学校の思春期の子どもたちを対象に、問題解決能力を高めるCAP(キャップ)(子どもへの暴力防止)プログラムの理念をベースとしたワークショップを行い、暴力やいじめの未然防止に取り組みます。
 拉致問題に対する理解促進を図るため、国と連携して「拉致問題啓発舞台劇公演」の開催に向けて取り組み、人権侵害問題の意識啓発を図ってまいります。

「互いの幸せを地域と福祉で支え合い誰もが輝くまち NAHA」

(地域で暮らし地域で支えるまちづくり)

 新たに策定する第9次なは高齢者プランを通して、市内18カ所の地域包括支援センターを中心に、高齢者が住み慣れた地域で、自立した日常生活を継続していけるよう引き続き支援するとともに、地域包括ケアシステムの深化・推進を図ってまいります。
 認知症の方の身元確認や安全確保に対応するため、QRコードシールなどのICTを活用した支援づくりに取り組みます。
 災害時に避難行動要支援者などが、安心して避難できるよう、福祉避難所設置数の拡大を図ります。
 障がいのある方に対して、在宅で24時間人工呼吸器の装着を必要とする方を対象に、長時間の停電に備えるため、新たに発電機や蓄電池の給付を行います。
 子どもの貧困への対策として、貧困状態又は将来的に貧困に陥る可能性がある児童の自立に向け、庁内に貧困対策支援員を配置するとともに、地域のボランティアによる子ども食堂や学習支援などを実施する団体への運営支援を通して、子どもの居場所づくりを支援します。

(すべての人が健康で生き生きと暮らせるまちづくり)

 子育てに励む保護者の負担軽減を図るため、乳幼児健診受診票のデジタル化などを通して、親子健康手帳アプリの活用を広く周知します。
 特定健診や保健指導を受ける機会がなかった国民健康保険加入者以外の20歳から39歳までの市民に対する生活習慣病の予防健診を引き続き実施します。
 子どもを望む夫婦の経済的負担軽減を図るため、保険適用外の先進医療不妊治療に対する費用の一部を助成します。また、がん患者の経済的負担を軽減するため、新たに医療用ウィッグなどの購入に要する費用の一部を助成します。

(身近な地域で良質かつ適切な医療が受けられるまちづくり)

 那覇市立病院に求められる救急医療の確保のほか、コロナ禍のような新興感染症への対応を含め、小児・周産期医療の維持や高度医療のさらなる充実を図るため、建替事業を引き続き推進します。

「次世代の未来を拓き、豊かな学びと文化が薫る誇りあるまち NAHA」

(子育てが楽しくなるまちづくり)

 未来を拓く子どもたちのための総合的かつ効果的な子ども・子育て支援の施策を展開するため、「(仮称)那覇市こども計画」を策定し、今後の「こどもの権利条例」制定に向けた指針とします。
 妊産婦、子育て世帯、子ども等に関する相談にワンストップで対応できる窓口として、「こども家庭センターなは」を開所します。同センターにおいては、AI音声認識システムの新規導入やビデオ通話による直接顔が見える相談など、相談の質の向上と安心して相談できる体制を整えるとともに、母子保健と児童福祉の連携体制強化を図ってまいります。
 経済的な理由で学校外教育を受けることができない子どもたちへの支援策である「まなびクーポン事業」については、新たに中学生まで対象を拡充し、学びの格差解消を図ります。
 また、低所得世帯に対する放課後児童クラブ利用料の支援対象を小学校6年生まで拡大し、児童の健全育成及び保護者の経済的負担軽減に取り組みます。
 支援を必要とする子どもや保護者に対して、関係機関と連携して、対象児童の見守り体制やヤングケアラーへの支援体制を構築し、児童虐待の未然防止及び早期発見、早期対応に努めます。
 認可保育所や認定こども園などへ入所希望の医療的ケア児を受入れ可能とするため、看護師の配置体制等を整備します。
 支援が必要な母子世帯などへ、精神的・経済的な安定と自立した生活への支援を行うとともに、ひとり親家庭の親に対し、養育費の履行確保等に関する支援を行います。
 待機児童の解消、保育の量の確保及び質の向上を図るため、引き続き保育士の離職抑制対策や継続就労に対して支援するほか、専門講師による保育の研修などを行います。
 食材などの物価高騰による学校給食への影響について、高騰分を支援することで、引き続き学校給食の質と量の維持に努めます。

(自らの力で未来を拓く子ども達を応援するまちづくり)

 小中学校における教員の負担軽減対策として、全小中学校に教員業務支援員を配置します。また、インクルーシブ教育システム構築のため、特別支援教育補助員を増員します。
 医療的ケアが必要な児童・生徒を支援する、保健師、看護師免許を有する特別支援教育補助員を配置します。
 教職員が、電子黒板やタブレット端末などのICT関連機器を学校の授業で有効活用できるよう、支援員を配置し、指導力の向上を図るほか、「GIGAスクール運営支援センター」を引き続き設置し、教職員のサポートを行います。
 法的な視点からの助言が必要となる事案に対し、弁護士(スクールロイヤー)を活用できる体制を新たに構築し、教員の働き方改革にも取り組みます。
 国際的に活躍できる人材の育成を図るため、市立中学校において、英語学習ソフトを活用したオンラインによる国際交流を新たに実施します。
 学校徴収金のうち、授業や行事などで使用する消耗品の購入費、いわゆる学級費を公費負担とすることで、保護者の経済的負担の軽減を図ります。
 学校施設について、耐用年数を超過した空調設備の更新や既存トイレの洋式化に引き続き取り組むほか、エレベータの新設などバリアフリー化を進め、障がいのある子もない子も、地域の学校で安心して共に学べる安全安心な教育環境を確保します。

(生涯学習を推進し、地域の教育力を向上させるまちづくり)

 耐久性の向上と老朽化抑制を図るため、首里公民館・図書館改修工事の実施設計を行うほか、小禄南公民館・図書館の屋上防水及び外壁塗装工事に着手します。
 漫湖公園市民庭球場については、機能強化を図るため、フェンスの全面張り替えやセンターコート観客席への日除け設置などを行い、スポーツコンベンション誘致施設としての魅力と利便性の向上に取り組みます。
 学校における様々な課題や取組について、保護者や地域住民などが参画し、学校運営を支えていく学校運営協議会を市立小中学校へ段階的に設置します。
 本市の児童・生徒が、スポーツ活動や文化的活動で、県外大会へ派遣される際の宿泊費について、補助金を増額します。

(郷土の歴史、伝統文化・芸能にふれあい、新たな文化を創造するまちづくり)

 旧国宝の崇元寺跡地については、新たな観光資源となるよう、ガイダンス施設の設計やAR・VRコンテンツの構築をはじめ、国史跡指定に向けた整備に取り組みます。
 首里城公園内に位置する中城御殿跡地において、国宝尚家資料の常設展示・収蔵に向けて、基本設計などを沖縄県と連携しながら取り組みます。
 国指定特別名勝の識名園については、施設の長寿命化に向けて、文化財保護法に基づく保存活用計画を策定します。
 なはーとを拠点として、市民や団体との対話を通し、新たな文化芸術を創造するとともに、文化芸術・芸能活動の推進に今後も引き続き取り組みます。

関連情報

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