子どもの居場所づくり4　ほのぼのプロジェクト

市政レポート

土曜日の午後3時半、取材に伺うと「人参シリシリ～しといてー」と元気な声が目の前に飛び込んできた。すでに4人の子どもたちが夕飯の支度を手伝っている。
　
テキパキと動き回り子どもたちに指示を出すのは「ほのぼのプロジェクト」共同代表のお一人、東江沙亜理さん。
東江さんは10年以上も前からこの食事支援を続けている。
はじまりは、娘さんが学生時代、部活動が終わってもなかなか家に帰らない娘の友だちに夕飯を一緒に食べさせるようになったのがきっかけ。
「生活に余裕があるわけではないけれど、夕飯で作りすぎてしまった分を食べてもらっているという感覚ですよ」と軽快な口調で笑顔を見せる。
　
それから、その友だちが友だちを連れて訪れるようになった。人数が多くなりおかずが足りなくなった時には、家族もすすんで自分のものを分けてくれるようになった。
―――「助け合うのがあたりまえ」。
そんな温かい空気が東江家には流れていた。
　
昨年12月、東江さんは知人に紹介された「NPO法人あごらぴあ」のメンバーと共に、現在のこども食堂をオープンした。
場所はNPO法人が使用する共同住宅の1部屋。「自宅でやっていたことと何も変わらない。ここを“みんなの家”だと思って遊びに来てほしい」と目を輝かせた。
　
東江さんたちの活動はラジオや新聞で紹介され、「何か手伝いたい」という問い合わせが全国からあるそう。「子どもたちの話し相手になってくれるだけでもいい。いろんな人にゆんたくしに来てほしい」と。互いに、足りないものを補ったり、アイディアを出し合ったり、また、地域の子どもたちへの想いを交換し合える、そんな助け合える関係が、ここ長田で「あたりまえ」となることを目指していく。（広報担当・アン）
　

　
◆ほのぼのプロジェクト
活動地域：長田
活動日：毎週第2曜日・第4土曜日　15時～19時
※8月は毎週土曜日オープン！（時間帯は同じ）
料金：大学生まで無料。大人は200円。
　
[掲載日：平成28年8月2日]

「ボランティア団体等が実施する子どもの居場所運営事業」について
保護管理課（自立支援G）【電話】098－861－5193