水質汚濁防止法における特定施設について

更新日:2025年4月22日

1. 水質汚濁防止法 

 水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)で規定されている特定施設(有害物質を含む、または化学的酸素要求量その他の水の汚染状態の排出水や汚水を公共用水域に排出、または地下に浸透させるもの)を設置している工場または事業場は、排出水量にかかわらず、全て設置などの届出が義務づけられています。届出を受けた那覇市は、その計画内容などを審査し、変更を求める場合は変更命令を発します。
 届出を行わない事業者には、改善命令のうえ罰則が適用されます。また、公共用水域への排水については、原則として排水基準が適用となり、これを超過した事業者には改善命令のうえ罰則が適用されます。

※有害物質を取り扱う事業者などは、下記改正点についても十分ご留意下さい。

 水質汚濁防止法改正(平成24年6月1日施行)
 工場または事業場でトリクロロエチレンなどの有害物質の漏えいによる地下水汚染が相次いでいることから、その未然防止を目的に改正されました。また、新たに届出対象として、同施行令で定める特定有害物質を含む排出水を下水道に排出する特定施設およびタンク等に貯蔵する施設も追加されました。
 水質汚濁防止法の改正~地下水汚染の未然防止のための実効ある取組制度の創設~(平成24年6月1日施行)(外部サイト)

 水質汚濁防止法施行規則等の「六価クロム化合物」に係る改正(令和6年4月1日施行)
 新たな知見を踏まえ、公共用水域及び地下水の水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の項目である「六価クロム」について、環境基準値が変更されました。
 水質汚濁防止法施行規則等の「大腸菌数」に係る改正(令和7年4月1日施行)
 簡便な大腸菌の培養技術が確立されたことを踏まえ、生活環境の保全に関する環境基準の項目である「大腸菌群数」について、より的確にふん便汚染を捉えることができる指標である「大腸菌数」に見直しとなりました。
 水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令(六価クロム:令和6年4月1日施行、大腸菌数:令和7年4月1日施行)(外部サイト)
 

2. 特定施設

届出対象施設など

 那覇市内に有害物質使用特定施設などの特定施設や有害物質貯蔵指定施設を設置する者は、施設の構造、設備、使用の方法等について、政令で定める市の長(以下、「那覇市長」という。)に届け出なければなりません(法第5条など)。下水道に排水の全量を放流している場合も届出が必要になりました。施設からの排水をすべて産業廃棄物として処理している場合も含みます。
 

特定施設とは

 特定施設とは、カドミウムなど人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質(有害物質)を含む汚水または廃液や、生活環境に係る被害を生じるおそれがある汚水または廃液を排出する施設で、政令で定めるものをいいます。有害物質使用特定施設は、特定施設のうち、有害物質の製造、使用又は処理を目的とするものを言います。

指定施設とは

 指定施設とは、有害物質を貯蔵し、もしくは使用し、または有害物質および公共用水域に多量に排出されることにより人の健康もしくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定めるもの(指定物質)を製造し、貯蔵し、使用し、もしくは処理する施設のことをいいます。有害物質貯蔵指定施設は、指定施設の中で有害物質を貯蔵するタンクなどの施設を言います。有害物質貯蔵指定施設は設置届出の提出義務がありますが、指定物質の貯蔵施設については設置届出書の提出義務はありません。しかし、事故時に報告する義務が課せられています。

貯油施設とは

 貯油施設とは、重油、原油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油、動植物油(以下、「油」という。)を貯蔵し、または油を含む水を処理する施設で、特定施設以外のものをいいます。特定施設設置届出書の提出義務はありませんが、事故時の措置と報告する義務が課せられています。

水質汚濁防止法に基づく特定事業場台帳

 この台帳には前年度末時点までの水質汚濁防止法に定める特定施設を設置している工場または事業場に係る情報を記載しています。下水道法に基づく特定施設については、那覇市上下水道局料金サービス課排水設備係までお問い合わせください。

那覇市 特定施設事業場台帳(2025年03月31日時点)

 PDF形式(PDF:419KB)  Excel形式(エクセル:35KB)

 特定事業場台帳(以下、「台帳」という。)の利用に際しては、必ず下の注意事項を確認し同意の上、閲覧してください。台帳を閲覧した時点で以下の注意事項に同意したものとみなします。
【注意事項】
※台帳は、各工場または事業場から届出された内容に基づき作成しておりますが、届出時の所在地が住所表記か地番であるか不明です。
※届出後に移転や廃業などを行ったが未届出などの理由により、現況と異なる場合や台帳に未掲載の場合があります。
※平成25年度の県からの権限移譲の際に県台帳の所在地の調査は行っておりますが、変更の経過などが明確でないため実際の所在地ではない可能性があります。
※台帳の有害物質使欄に使用有り(●マーク)とされている(いない)場合であっても、「土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)の特定有害物質の使用などが有る(無い)こと」を証明するものではありません。
※台帳の利用によるいかなる損害やトラブル、生じた事故などの責任については、那覇市は一切負いかねますのであらかじめご了承ください。

特定施設などの設置者が行わなければならないこと

届出の手続き

水質汚濁防止法に基づく届出種類及び様式
根拠条文届出種類届出要件様式届出期日
第5条第1項特定施設設置届出

那覇市内に特定施設、有害物質使用特定施設または有害物質貯蔵指定施設を設置する場合
[届出例]

  • 新たな特定施設を設置する場合
  • 既存の一般施設を改造または用途変更などで特定施設にする場合
  • 施設の移転、増設、更新した場合
  • 特定施設の種類が変わる場合(変更後の施設)

[添付資料]

  • 配置図:工場・事業場内における特定施設、処理施設、排出経路、排出口等の配置図
  • 操業系統図:各施設での作業の流れがわかるもの
  • 汚水処理施設の仕様書:構造や能力がわかるもの
  • 工場・事業場周辺の見取り図:見取り図には排出先の公共用水域を図示(名称記載を含む)すること

設置(使用、変更)届(ワード:36KB)
記載例(PDF:199KB)

工事実施の60日前までに
第6条使用届出法改正などで新たに特定施設が追加された場合などに、既に該当する施設を設置している場合30日以内に
第7条構造等変更届出

特定施設の構造、使用方法、処理の方法、排出水の汚染状態および量、用水および排水の系統(例:下水道接続)など変更する場合

工事実施の60日前までに
第10条氏名等変更等届出届出者の氏名、名称および住所、法人にあってはその代表者、工場、事業場の名称、地番変更などによる所在地の変更があった場合変更届(ワード:16KB)30日以内に
使用廃止届出特定施設の使用を廃止した場合使用廃止届(ワード:16KB)廃止後30日以内に
第11条承継届出特定施設を譲り受けた、借り受けた、または相続、合併、分割などの場合継承届(ワード:16KB)30日以内に
遅延理由書届出が遅れた場合

遅延理由書(ワード:36KB)
記載例(PDF:91KB)

届出に添付

排水の測定と記録の義務および事故時の対応について

 【排水の測定と記録の義務】
 水質汚濁防止法に定める特定施設を設置し、排水基準が適用される事業者には、排出水と汚染状態を測定・記録・保存する義務があります。

 【事故時の対応】
 万が一の事故が発生した場合を想定し、必要な対策・措置が講じられるよう、日頃からの体制や設備などの備えが重要ですが、水質事故を起こしてしまった場合は環境への影響を最小限に抑えるために、下記の対応を行い、事故による被害の拡大を防いでください。
 応急措置の実施
 直ちに汚水等の流出元を特定し、流出を止める措置を講じてください。また、流出した汚水などが河川や海などの公共用水域に拡散しないように、拡散防止措置を講じてください。
 [流出防止措置の例]配管の流出箇所の前後のバルブの遮断、流出箇所へ送水(送油)するポンプの停止、タンクなどに残っている汚水などを緊急槽に移送、など。
 [飛散防止措置の例]事業場内の排水路(雨水排水路も含む)や放流口の閉鎖、オイルマット、吸着剤、土嚢などを汚水などの流下先に設置、など。
 関係機関への連絡
 下記の水質汚濁防止法担当まで速やかに連絡してください。
 ・那覇市役所 環境部 環境保全課 水質保全グループ(直通電話番号:098-951-3229)
 事故届の提出
 事故の状況、講じた措置の概要などを記載した事故届を提出してください。
 事故時の対応については、下記の別ページをご確認ください。
 水質汚濁防止法に基づく事故時の措置について(内部リンク)

3. 有害物質使用特定施設および有害物質貯蔵指定施設の設置事業者の義務など

 有害物質使用特定施設および有害物質貯蔵指定施設の設置者は、特定施設の設置者として上記の手続きなどを遵守する以外に、下記の事項も遵守する必要があります。

構造などに関する基準遵守義務

 設置者は、「構造などに関する基準」を遵守しなければなりません(法第12条の4)。
 構造などに関する基準とは、有害物質使用特定施設および有害物質貯蔵指定施設の施設本体、施設の設置場所の床面及び周囲、施設本体に付帯する配管・排水溝等について定めた構造、設備および使用の方法に関する基準です。
 届出時において、構造などに関する基準に適合しないと認める時は、那覇市長は構造などに関する計画の変更または廃止を命ずることができます(法第8条第2項など)。
 また、これらの施設の使用時において、構造などに関する基準を遵守していないと認める時は、那覇市長は施設の構造、設備もしくは使用の方法の改善、または使用の一時停止を命ずることができます(法第13条の3第1項など)。

定期点検の義務

 設置者は、施設の構造・設備、使用の方法などについて、定期に点検し、その結果を記録、保存しなければなりません(法第14条第5項)。
 なお、測定結果は水質測定記録表により記録し、その記録を3年間保存する必要があります。
 記録をせず、虚偽の記録をし、または記録を保存しなかった者は、30万円以下の罰金に処せられます(法第33条)。
 Q&A(環境省ホームページへリンク)(外部サイト)

4. 水質汚濁防止法に係る環境基準など

 公共用水域の水質調査結果や悪臭などの公害苦情などで河川などの水質悪化が認められた場合は、下記基準内の水質が維持できるよう、浄化槽の維持管理に係る指導など実施しています。

環境基準

 環境基準とは、公共用水域の水質汚濁などに係る環境上の条件につき、人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準です。

排水基準

 排出水を排出する者は、排水口において排水基準に適合しない排出水を排出してはならないとされ(法第12条)、特定施設からの排出水が排水基準を超過している場合、那覇市長は排出水を排出する者に対し、期限を定めて特定施設の構造や使用の方法、汚水の処理の方法の改善を命令できるほか、施設の使用や排出水の排出の一時停止を命令することができます(法第13条)。
 基準は全国一律で設定されている一律排水基準と、各都道府県の水域ごとに設定される上乗せ排水基準がありますが、それぞれ業種や項目ごとに現在の汚水処理技術の状況や社会に与える影響の度合いを考慮し、暫定排水基準が設定されているものもあります。

 ※那覇市内においては、国場川水域および那覇港海域への排水について上乗せ排水基準が適用されます。

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お問い合わせ

環境部 環境保全課 水質保全グループ

〒900-8585 沖縄県那覇市泉崎1丁目1番1号 市庁舎7階

電話:098-951-3229

ファクス:098-951-3230