更新日:2024年11月18日
麻しんとは
麻しんは「はしか」とも呼ばれ、麻しんウイルスによって、引き起こされる急性熱性発疹性疾患です。
感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
どのような症状が出るの?
潜伏期間(症状のない期間)は通常10日から12日間で、発熱やせき、鼻水など風邪のような症状が現れます。数日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹(耳の後ろや首あたりから、身体、手足へと広がる)が出現します。肺炎や中耳炎、クループ(喉頭気管気管支炎)、脳炎を合併しやすく、中でも脳炎は患者1000人に1人の割合で発症します。
有効な治療法はないことから、症状を和らげる治療(対症療法)が行われます。
どのように感染するの?
空気感染、飛沫感染、接触感染で、人から人へ感染が伝播し、その感染力は非常に強いとされています。発熱前日から解熱後3日間までは、感染力が特に強い期間です。
予防するためにできること
麻しんは感染力が強く、空気感染もするため、手洗い・マスクだけでは十分に予防できません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法といえます。下記に該当する方は、可能な限り早めの麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の接種が奨められます。
定期接種対象者:無料
● 第1期定期接種対象者(1歳児)
● 第2期定期接種対象者(小学校入学前1年間の幼児:今年度6歳になる者)
定期接種を逃したお子様へ:無料
那覇市では接種の機会を逃したお子さんも、無料で接種ができる行政措置制度があります。
那覇市保健所「MR(はしか・風しん混合)ワクチン予防接種について」
MR予防接種は、1歳から2歳未満のお子さまを対象に第1期、小学校就学前のお子さまに第2期として、合計2回の接種で十分な免疫が得られ、麻しんと風しんの感染を予防することができます。
定期予防接種以降でも、以下に該当しない方は、MRワクチンを受けましょう。
〇母子健康手帳などで麻しんワクチンを2回以上受けた記録がある
〇過去に麻しんに罹ったことが確実である(検査で確認されたことがある)
予防接種を希望される際には、医療機関に事前に連絡し、接種可能な予防接種の種類をご確認の上、予約を行ってください
周りの人に感染を広げないためにも、おひとりおひとりが予防接種の重要性について十分に理解を深め、積極的に予防接種を受けるよう努めることが重要となります。
麻しんを疑う症状のある方が注意すべきこと
麻しんの流行地域への旅行歴がある方、麻しんの患者と接触した方、海外渡航歴がある方で、熱、せき、のどの痛み、目が赤くなる、発疹等の症状があった場合や、麻しんを疑う症状がある場合には、直接医療機関に行かず、必ず事前に症状等を伝え、麻しんの患者と接触がある、麻しんの流行地域や海外への旅行歴がある等、医療機関に伝えるようにしましょう。
流行地域や海外に旅行を予定されている方へ
【旅行前の準備】
麻しんにかかったことや麻しん含有ワクチン(MRワクチン、麻しんワクチン)の予防接種歴を母子手帳等で確認してください。
予防接種歴や麻しんにかかったかどうかが不明な方は、抗体検査の実施、ワクチンの接種の要否等について、かかりつけ医に御相談ください。
海外渡航の際は、渡航先の流行状況を確認しましょう。→厚生労働省検疫所のホームページ(外部サイト)
【旅行後について】
麻しんの流行地域への旅行や海外旅行後2週間程度は、健康状態(特に、高熱や全身の発疹、せき、目の充血等の症状)に注意しましょう。
はしか・風しん”0”キャンペーン週間
令和6年5月19日(日)から25日(土)までは沖縄県が定めた「はしか・風しん“0”キャンペーン週間」です。
那覇市保健所1階パネル展
沖縄県はしか”0”プロジェクト
沖縄県において、平成11年(1999年)から13年(2001年)の間に二度の大きな「はしか」の流行があり9名の乳幼児の命が失われてしまいました。「はしか」という病気は現代でも非常に恐ろしい病気です。しかし予防することはできます。もしもあの時沖縄で、多くの人が予防接種を受けてさえいれば悲劇は防げたかもしれません。
二度と繰り返したくない。そんな思いから、県内関係機関で「沖縄県はしか“0”プロジェクト」が立ち上がりました。
沖縄県はしか”0”プロジェクト「はしか”0”プロジェクト委員会について」(外部サイト)
2018年沖縄県での麻しん流行について
詳細は那覇市と沖縄県の報告書等をご参照ください。
・2018年(平成30年)那覇市麻疹対応経過報告書
2018年那覇市麻疹対応経過報告書(PDF:11,473KB)
沖縄県ホームぺージ「沖縄県における外国人観光客を発端とした麻しん集団発生と終息に向けた行政対応(2018年)報告書」(外部サイト)
NIID 国立感染症研究所「外国人観光客を発端とした麻しんアウトブレイクの行政対応-沖縄県(病原微生物検出情報:IASR、Vol.40、p53-54:2019年4月号)」(外部サイト)
NIID 国立感染症研究所「沖縄県における麻疹アウトブレイク-検査対応と得られた知見(病原微生物検出情報:IASR、Vol.40、p54-55:2019年4月号)」(外部サイト)
関連ホームページ
NIID 国立感染症研究所「麻しんの最新情報」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html(外部サイト)
厚生労働省ホームページ「麻しんについて」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html(外部サイト)
国立感染症研究所 感染症疫学センター「麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方 」
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/MRvaccine_20180417.pdf(外部サイト)
那覇市保健所「感染症の発生情報」
https://www.city.naha.okinawa.jp/nahahokenjyo/kansensyou/hassei/index.html