更新日:2022年12月7日
ウイルスなどの病原体をもつダニ類に咬まれることで感染症が引き起こされることがあります。
沖縄県でも、これまで重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、つつが虫病が報告されています。
これら3疾病の特徴は以下の通りです。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
SFTSは、日本では2013年に初めて確認されました。
その後西日本を中心に患者発生報告があり、本県では、2016年に初事例が報告されています。
潜伏期間は5日-2週間程度とされ、主な症状は、発熱、下痢や嘔吐などの消化器症状で、ダニの刺し口は見つからないこともあります。
致死率が高いことも特徴で、10-30%とされています。
2022年11月現在、SFTSウイルスに対する有効な薬剤はなく、治療は出ている症状を緩和するための対症療法をおこないます。
日本紅斑熱
日本紅斑熱は、関東以西の比較的温暖な太平洋側での発生が多く、本県では2010年に初事例が報告されています。
潜伏期間は2-8日とされ、主な症状は、発熱、発疹、刺し口のかさぶたで、発疹は手のひらを含む全身に認められます。
テトラサイクリン系の抗生物質等による治療が有効です。
つつが虫病
つつが虫病は、東北から九州沖縄まで広く発生が確認されており、全国で毎年300~400名の患者が報告されています。
本県では2008年に初事例が確認されています。患者の発生の季節に特徴があり、初夏(5~6月)と秋~冬(10~12月)に集中しています。
潜伏期間は5日~2週間と比較的長く、症状は、発熱、発疹、刺し口のかさぶた、リンパ節腫脹などです。
発疹は主に胴体部分に現れ、手のひらには認められません。
日本紅斑熱と同様に、テトラサイクリン系の抗生物質等による治療が有効です。
予防のポイント
ダニ類に咬まれないことが重要です。ダニ類の活動は特に春から秋にかけて盛んになります。
野外作業、農作業、レジャーを行う際には、ダニ類に咬まれないように十分注意が必要です。
野外での活動を行う場合は、肌の露出を少なくしたり、ダニ類が付着しないように工夫しましょう。
- 長袖、長ズボン、襟のある上着を着る。または首にタオルを巻く。
- ズボンの裾は、靴下や長靴の中に入れる。
- シャツの裾は、ズボンの中に入れる。
- 足を完全に覆う靴を履く(サンダルなどは避ける)
- 虫除け剤を使用する。
- 地面に座るときには敷物をしく。
- 脱いだ上着は地面に置かない。
- 野外活動後はシャワーを浴て体を洗い流し、体にダニが付着していないか確認する。
- 上着や作業着は着回さず、その都度洗濯する。
野外での活動後、1~2週間後に発熱や発疹等の症状が現れたら、すぐに医療機関を受診してください。
また、自分の体に吸血中のダニ類を見つけた場合、無理に取るとダニ類の一部が皮膚に残ることがあるので、医療機関で処置してもらうようにしてください。
関連リンク
厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(外部サイト)