B型肝炎

更新日:2023年7月7日

B型肝炎とは

 B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気です。B型肝炎には、急性B型肝炎と、慢性B型肝炎があります。急性B型肝炎は、成人が初めてB型肝炎ウイルスに感染して発病したものであり、慢性肝炎は、B型肝炎ウイルスに持続感染している人(HBVキャリア)が発病したものです。慢性B型肝炎を放置すると、病気が進行して、肝硬変、肝がんへ進展する場合があるので、注意が必要です。

 B型肝炎ウイルスは、主として感染している人の血液が他の人の血液の中に入ることによって感染します。また、感染している人の血液中のB型肝炎ウイルスの量が多い場合は、その人の体液などを介して感染することもあります。

 B型急性感染は、感染して1~6ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。感染しても肝炎の程度が軽くて自分では気が付かないうちに治ってしまう例や、激しい肝炎を起こして生命を維持できない状態(肝不全)となる、いわゆる劇症肝炎になることもあります。

 乳幼時期など免疫能が低下している場合に感染すると、持続的にウイルスが存在し続ける持続感染(HBVキャリア)の状態になることがあります。持続感染している人では、周囲に感染を広げてしまう可能性があり、また症状が出てなくてもB型慢性肝炎が潜んでいて治療が必要な場合があります。

B型肝炎の治療について

 B型急性肝炎は一般的に抗ウイルス療法は必要ありませんが、劇症肝炎の場合には抗ウイルス薬として核酸アナログ製剤の投与、ステロイドの大量投与や血液を浄化するための血漿交換、血液透析などの肝臓の機能を補助する特殊な治療を必要とする場合があります。それでもさらに肝炎が進行する場合は、肝移植を行わないと救命できない場合もあります。

 B型慢性肝炎では、適応に応じてインターフェロンや核酸アナログ製剤を使用することがありますが、持続感染しているB型肝炎ウイルスを身体から完全排除することは出来ないことがわかっています。また、肝炎の進行を抑制する肝庇護療法がおこなわれる場合があります。

B型肝炎の予防について

 B型肝炎には、安全で効果的なワクチンがあり、2016年10月から0歳児全員に対し定期接種化されました。また、HBV持続感染している母親から出生する児や、HBVキャリアと同居する家族やパートナー、医療従事者や警察官、消防士等、他人の血液に曝露されるリスクが高い方、流行地域で長期滞在を予定される方で接種を希望される方などにも使用されます。

 また、HBVに感染している人の体液に曝露しないことが予防となります。具体的には歯ブラシやカミソリ、注射器や注射針など血液がついている可能性のあるものは共用しない、他人の血液に触れる時には手袋を着用する、入れ墨やピアスをするときには清潔な器具であることを確かめる、特定のパートナー以外との性行為時にはコンドームを使用するようにしましょう。

感染したかもと不安な方へ

 感染の心配があるときは、検査を受けて、感染しているかどうかを知ることが大切です。保健所では肝硬変や肝がんへ進行するおそれのある、B型肝炎ウイルスへの感染を早期に発見し、治療につなげるために、肝炎ウイルス検査を実施しています。(検査の結果、B型肝炎ウイルス感染が疑われる場合には医療機関へ紹介します)。
https://www.city.naha.okinawa.jp/nahahokenjyo/kansensyou/hiv/hivkensa.html

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