更新日:2024年6月27日
急性出血性結膜炎警報を発令しました
令和7年6月20日、那覇市内の定点眼科医療機関からの報告より、最新週(第24週 令和7年6月9日~6月15日)の定点当たり報告数は1.00でした。警報レベルの基準値である1.0を超えましたので、急性出血性結膜炎を発令しました。
第25週の定点当たり報告数は、1.00で警報継続となります。
那覇市では、今年5回目の警報となります。
急性出血性結膜炎のウイルスはアルコールによる手指衛生の効果が弱いので、手を石けんで十分に洗うこと、タオル類の共用を避ける等の感染症予防に努めていただきますようお願いいたします。
急性出血性結膜炎とは
急性出血性結膜炎は、主としてエンテロウイルス70(EV70)とコクサッキーウイルス(A24変異株)の二つのエンテロウイルスによってひきおこされる結膜炎です。
時期的には、特別な季節性はみられません。年齢は広範囲にみられますが、6-7歳以下、特に1-4歳に多く、ときに20-30歳代にもやや多くみられています。
主な症状
1-2日間の潜伏期間を経て、突然の強い目の痛み、異物感、まぶしさ(羞明)などの症状で始まります。加えて、多くは結膜の充血、特に白目部分が赤く染まる結膜下出血を伴い、まぶたの腫れ(眼瞼浮腫)、めやに(眼脂)などの症状も高頻度にみられます。症状の経過は、約1週間続いて治癒することが多いですが、ごくまれに発症後6-12か月後に四肢の運動麻痺を来すことがあるので、注意が必要です。
感染経路
接触感染で感染します。
・家族内感染:共有のタオルあるいは患者が触れた物を介して感染
・学校内感染:タオルやハンカチの共有による感染
・病院内感染:検査器具、点眼薬、医療従事者の手指を介しての感染
治療方法
現在有効な抗ウイルス薬はないため、対症療法が基本の治療となります。
予防と対策
- 感染予防には流水下で手指を石けんで十分に洗うこと、タオルなどの共用を避けることが重要です。
- ウイルスで汚染した器具や物品の消毒には、煮沸あるいは次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)等で拭くことが有効的です。
- 目を拭く際(点眼時など)には、ティッシュペーパーなどの使い捨てのものを使用しましょう。
- 家族内では、衣類やタオルの共有を避け、患者は洗顔の際洗面器を用いず、入浴も最後にしましょう。
学校保健安全法における取り扱い
第3種の感染症に定められており、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで出席停止とされています。
参考
・那覇市保健所ホームぺージ「警報・注意報について」
・国立健康危機管理研究機構JIHS「急性出血性結膜炎」(外部サイト)
・急性出血性結膜炎 厚生労働省(外部サイト)
・東京都 感染症マニュアル2018 監修:東京都新たな感染症対策委員会(外部サイト)