更新日:2025年9月18日
「伝染性紅斑(リンゴ病)警報」を発令しました
那覇市内の定点小児科医療機関6ヵ所の報告より、最新週(第37週 令和7年9月8日~9月14日)の定点あたりの伝染性紅斑報告数は2.00でした。
警報レベルの基準値である2.0を超え、基準値前後の流行が継続する、または、拡大する可能性もあることから、令和7年9月18日付で「伝染性紅斑警報」を発令します。
本警報は、平成25(2013)年度の那覇市保健所開所以降、初めての発令となります。
伝染性紅斑とは、両頬に赤い発しん(紅斑)が出ることから「リンゴ病」とも呼ばれる幼児・学童に多い感染症です。
妊婦が感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。
病原体となるヒトパルボウイルスB19は、アルコール消毒が効きにくいため、こまめな「手洗い」が有効です。また、紅斑が出ている時期にはほとんど感染力がないため、かぜ症状のある人は、「マスクの着用」「咳エチケット」などをしましょう。
令和7年9月18日【プレスリリース】伝染性紅斑(リンゴ病)警報(PDF:688KB)
伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)とは
ほっぺたが赤くなることから「リンゴ病」とも呼ばれる幼児・学童を中心に多い感染症です。
- 約10~20日の潜伏期間の後、微熱やかぜの症状などがみられ、その後、両頬に蝶の羽のような境界鮮明な赤い発しん(紅斑)が出ます。続いて、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がりますが、これらの発しんは1週間程度で消失します。
- 成人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもあります。
- 感染力は、頬に発しんが出現する7~10日前の微熱やかぜに似た症状の時期に最も高くなりますが、発しんが現れたときには、ほぼ消失しています。
- 感染経路は、感染した人の咳のしぶき(飛まつ)を吸い込むことによる飛まつ感染や、感染者と接触したりすることによる接触感染です。
妊娠中または妊娠の可能性がある方へ
- これまで伝染性紅斑に感染したことのない女性が妊娠中に感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。
- 感染しても症状がない場合(不顕性感染)もあるため、自身に症状が無くても、周囲に伝染性紅斑の人がいる場合は、事前に医療機関に報告して、妊婦健診を受けましょう。
感染予防
- 病原体となるヒトパルボウイルスB19は、アルコール消毒が効きにくいため、こまめな「手洗い」が有効です。
- 紅斑が出ている時期にはほとんど感染力がないため、かぜ症状のある人は「マスク着用」「咳エチケット」などが大切です。
伝染性紅斑にかかったら
- 伝染性紅斑に、特別な治療法はありませんので、症状に応じた治療になります。症状が現れた場合は、早めに医療機関で診察を受けてください。
感染症発生動向調査における把握
伝染性紅斑の流行状況については、感染症発生動向調査事業において那覇市内小児科医療機関6ヵ所の協力を得て、患者情報を週単位(月曜から日曜)で収集し、全国約2,300カ所の定点情報と併せて分析し、市民及び医療機関に情報を提供しています。
- 警報レベル:定点あたり2.0以上
- 警報終息レベル:定点あたり1.0未満
※ 警報・注意報について、国立健康危機管理研究機構より、「定点数の設計等が変更された2025年4月7日以降の患者サーベイランスに直ちに当てはめることはできない。なお、従前の警報・注意報をコミュニケーションとして使用することを妨げるものではない。(一部抜粋)」とされているため、那覇市保健所では従前とおり警報・注意報を行います。