更新日:2025年5月29日
麻しん(はしか)患者の来島に伴う注意喚起(沖縄県より)
令和7年5月27日より、沖縄県地域保健課から、下記のとおり、麻しんの確定患者が感染可能期間に石垣島内で不特定の方と接触している可能性があることが公表されました。
麻しんウイルスは非常に感染力が強いため、患者と接触した可能性がある方への注意喚起として、広く情報提供します。
プレスリリースはこちら↓
沖縄県ホームページ「 麻しん(はしか)患者の石垣島来島に伴う注意喚起」(外部サイト)
麻しんの予防接種は最も有効な予防方法です。麻しん風しん混合 ワクチン(MRワクチン)は、『2回』接種することで十分な免疫を獲得することができ、麻しん (はしか)・風しんを予防することができます。
「1歳児」と「小学校入学前1年間の幼児」で未接種の場合は、早めに予防接種を受けましょう。
麻しんを疑う症状のある方が注意すべきこと
麻しんの流行地域への旅行歴がある方、麻しんの患者と接触した方など、熱・せき・のどの痛み・目が赤くなる・発疹等の麻しんを疑う症状がある場合には、直接医療機関に行かず、必ず事前に電話等で、症状、麻しん患者との接触の有無、旅行歴等を伝えましょう。医療機関に受診する際は、できるだけ公共交通機関を利用しないようにしましょう。
麻しんを疑われた場合には、以下のような対応のご協力をお願いいたします。
1.医師の指示に従って、必要な検査を受けてください。
2.麻しんが否定されるまでは自宅待機、外出自粛をお願いします。
3.麻しんであれば発熱の1日前からうつる可能性があります。熱が出た1日前から接触した方に出来るだけ連絡し、予防接種の未接種者には緊急の予防接種ができること、症状が出現した際は病院へ電話で連絡してから、他の患者へうつさないように受診すること等をお伝えください。詳しくは「はしか(麻しん)を疑われた患者様へ」をご覧ください。
4.麻しんと診断された場合、保健所から電話にて聞き取り調査をすることがあります。電話にはいつでも出られるようお願いいたします。聞き取り調査では、症状や、同居者(家族)情報、麻疹発症から7~21日前(特に7日~14日前)の主な外出場所や訪問先等について確認いたしますので、事前に下記調査票を確認し、記録を残しておく等スムーズな調査へのご協力をお願いいたします。
はしか(麻しん)を疑われた患者様へ(PDF:119KB)(PDF:124KB)
麻しん(疑い例)調査票(那覇市保健所)(PDF:167KB)(PDF:167KB)
発生状況
麻しんは、現在、海外における流行が報告されています。特に、ベトナムをはじめとする諸外国を推定感染地域とする輸入事例の報告が増加しており、今後、輸入事例の更なる増加や、国内における感染伝播事例が増加することが懸念されます。(令和7年3月19日時点)
那覇市および沖縄県では、過去5年間麻しんの発生はありません。
全国では、2025年第20週(5月18日)時点で、昨年の約3倍に増加しています。
麻しんとは
麻しんは「はしか」とも呼ばれ、麻しんウイルスによって、引き起こされる急性熱性発疹性疾患です。
感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
どのような症状が出るの?
潜伏期間(症状のない期間)は通常10日から12日間で、発熱やせき、鼻水など風邪のような症状が現れます。数日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹(耳の後ろや首あたりから、身体、手足へと広がる)が出現します。肺炎や中耳炎、クループ(喉頭気管気管支炎)、脳炎を合併しやすく、中でも脳炎は患者1000人に1人の割合で発症します。
有効な治療法はないことから、症状を和らげる治療(対症療法)が行われます。
どのように感染するの?
空気感染、飛沫感染、接触感染で、人から人へ感染が伝播し、その感染力は非常に強いとされています。発熱前日から解熱後3日間までは、感染力が特に強い期間です。
予防するためにできること
麻しんは感染力が強く、空気感染もするため、手洗い・マスクだけでは十分に予防できません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法といえます。下記に該当する方は、可能な限り早めの麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の接種が奨められます。
定期接種対象者:無料
● 第1期定期接種対象者(1歳児)
● 第2期定期接種対象者(小学校入学前1年間の幼児:今年度6歳になる者)
定期接種を逃したお子様へ:無料
那覇市では接種の機会を逃したお子さんも、無料で接種ができる行政措置制度があります。
那覇市 健康増進課「MR(はしか・風しん混合)ワクチン予防接種について」(内部リンク)
定期予防接種以降でも、以下に該当しない方は、MRワクチンを受けましょう。
〇親子(母子)健康手帳などで麻しんワクチンを2回以上受けた記録がある
〇過去に麻しんに罹ったことが確実である(検査で確認されたことがある)
予防接種を希望される際には、医療機関に事前に連絡し、接種可能な予防接種の種類をご確認の上、予約を行ってください
周りの人に感染を広げないためにも、おひとりおひとりが予防接種の重要性について十分に理解を深め、積極的に予防接種を受けるよう努めることが重要となります。
流行地域や海外に旅行を予定されている方へ
【旅行前の準備】
麻しんにかかったことや麻しん含有ワクチン(MRワクチン、麻しんワクチン)の予防接種歴を親子(母子)健康手帳等で確認してください。
予防接種歴や麻しんにかかったかどうかが不明な方は、抗体検査の実施、ワクチンの接種の要否等について、かかりつけ医に御相談ください。
海外渡航の際は、渡航先の流行状況を確認しましょう。→厚生労働省検疫所のホームページ(外部サイト)
【旅行後について】
麻しんの流行地域への旅行や海外旅行後2週間程度は、健康状態(特に、高熱や全身の発疹、せき、目の充血等の症状)に注意しましょう。
沖縄県はしか”0”プロジェクト
沖縄県において、平成11年(1999年)から13年(2001年)の間に二度の大きな「はしか」の流行があり9名の乳幼児の命が失われてしまいました。「はしか」という病気は現代でも非常に恐ろしい病気です。しかし予防することはできます。もしもあの時沖縄で、多くの人が予防接種を受けてさえいれば悲劇は防げたかもしれません。
二度と繰り返したくない。そんな思いから、県内関係機関で「沖縄県はしか“0”プロジェクト」が立ち上がりました。
沖縄県はしか”0”プロジェクト「はしか”0”プロジェクト委員会について」(外部サイト)
2018年沖縄県での麻しん流行について
詳細は那覇市と沖縄県の報告書等をご参照ください。
2018年那覇市麻疹対応経過報告書(PDF:11,473KB)
沖縄県ホームぺージ「沖縄県における外国人観光客を発端とした麻しん集団発生と終息に向けた行政対応(2018年)報告書」(外部サイト)
JIHS国立健康危機管理研究機構「外国人観光客を発端とした麻しんアウトブレイクの行政対応-沖縄県(病原微生物検出情報:IASR、Vol.40、p53-54:2019年4月号)」(外部サイト)
JIHS国立健康危機管理研究機構「沖縄県における麻疹アウトブレイク-検査対応と得られた知見(病原微生物検出情報:IASR、Vol.40、p54-55:2019年4月号)」(外部サイト)