蚊が媒介する感染症に注意しましょう

更新日:2025年8月21日

蚊(か)媒介感染症

ウイルスなどの病原体をもつ蚊に咬まれることで感染症が引き起こされることがあります。
主な蚊媒介感染症には、ウイルス疾患であるデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、原虫疾患であるマラリアなどがあります。
これらの感染症は主に熱帯、亜熱帯地域で流行しています。
沖縄県でも、過去10年において、これまでデング熱、チクングニア熱、マラリアが報告されています。

予防のポイント

屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊にさされないよう注意してください。

蚊の発生を減らすために、定期的に幼虫が発生しそうな周辺の水たまりの除去・清掃をしましょう!

下草を刈るなど、成虫が潜む場所をなくしましょう!

日本脳炎は不活化ワクチンによる予防接種、マラリアは医師の処方による予防内服が有効です。

デング熱

デング熱は急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られます。
通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に 出現します。
デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあります。
那覇市保健所 デング熱

チクングニア熱

チクングニアウイルスを保有するネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどに刺されることで感染します。
アフリカ、インド洋島嶼国、インド、東南アジアの熱帯・亜熱帯地域を中心として流行がみられています。
潜伏期間は3~12日(通常3~7日)で、患者の大多数は急性熱性疾患の症状が出ます。
発熱と関節痛は必発であり、発疹は8割程度に認められます。
欧州を含む複数の国で発生が報告されており、2025年7月には、中華人民共和国でのチクングニア熱の患者急増に伴い、外務省から渡航者向けに注意喚起が行われました。

ジカウイルス熱

中南米を中心に、ジカウイルス感染症が多数報告されています。
蚊に刺されてから数日後に、軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛等の症状が見られます。感染しても症状がないか、症状が軽いため気付きにくいこともあります。
妊娠中に感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあることから、妊婦及び妊娠の可能性がある方は、可能な限り流行地域への渡航を控えてください。
性行為により男性から女性パートナーへ感染した事例が報告されてます。症状の有無にかかわらず、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えることを推奨します。
那覇市保健所_ジカウイルス熱

日本脳炎

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。
突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもあります。
日本脳炎ウイルスに感染した場合、約1000人に1人が日本脳炎を発症し、発症した方の20~40%が亡くなってしまうといわれています。
また、生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれています。
ワクチン接種により、日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。
那覇市健康増進課_【小児】予防接種の種類、実施医療機関

マラリア

マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。
世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しています。世界におけるマラリアは増加していることから、渡航時は感染しないように注意が必要です。
1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。
ヒトのマラリアには5種類【熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア、二日熱マラリア(サルマラリア)】があります。
その中でも、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。
脳症、腎症、肺水腫、出血傾向、重症貧血など、さまざまな合併症がみられます。
マラリアについては、抗マラリア薬を投与します。

資料

お問い合わせ

那覇市保健所 保健総務課 感染症グループ

〒902-0076 沖縄県那覇市与儀1丁目3番21号

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