更新日:2019年3月18日
大雨(浸水害、土砂)・雷
雨は時に災害をもたらします。通常は1ヶ月かけて降るような雨の量が、1日などごく短期間に集中すると、河川の氾濫や山崩れ・がけ崩れなどが発生し、わたしたちの生活や生命をおびやかすようになります。大雨が続くときは、ラジオやテレビなどの気象情報に注意し、早めの対策をたてましょう。
大雨について
【大雨が降るとき】
・台風や梅雨前線、低気圧は広い範囲に大雨を降らせます。一方、夕立などは狭い範囲に短い時間で激しい雨を降らせます。
□台風による大雨
・台風が日本に近づいてくるときに、日本付近に梅雨前線や秋雨前線などが停滞していると、前線が活発になって台風が遠くにあるうちから強い雨が降り出すことがあります。このようなときは、雨が降る時間が長くなることが多く、さらに、台風が近づいたり、中心が通過したりするときには、雨が一層激しくなって、大きな災害につながることがあります。熱帯低気圧が近づいたり、通過したりするときも大雨の降ることもありますから注意しましょう。
□梅雨前線や秋雨前線による大雨
・梅雨前線や秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むと、大雨が降りやすくなります。また、前線上を低気圧が移動する場合も大雨が降ることがあります。
□高気圧の周辺で降る大雨
・太平洋高気圧の西の端をまわって、南から湿った暖かい空気が流れ込み、大雨の原因となります。
【降水量とは?】
・雨だけではなく、雪やあられも含めて、降ってくる水の量を降水量と呼びます。雨の場合は、雨量と呼ぶこともあり、降った水の量をmm(ミリメートル)単位の深さで表します。雨量100ミリメートルとは、降った雨がどこへも流れ去らず、また土の中にしみ込まないとしたとき、雨水が10センチメートルの深さにたまったということです。
【雨の強さと降り方】
・沖縄地方では、1時間の雨量が30ミリメートル以上だと大雨注意報、50ミリメートル(ただし総雨量が120ミリメートル以上)の場合は大雨警報が発表されます。
1時間の雨量 | 降り方 | 起こる可能性のある災害 |
---|---|---|
10~20ミリメートル 「やや強い雨」 |
|
|
20~30ミリメートル 「強い雨」 |
|
|
30~50ミリメートル 「激しい雨」 |
|
|
50~80ミリメートル 「非常に激しい雨」 |
|
|
80ミリメートル~ 「猛烈な雨」 |
|
|
【雨が原因となって起こる災害】
・大雨や強雨が原因となって起こる災害には、次のようなものがあります。
□洪水害
・大雨や雪解け水が川に流れ込んで、川を流れる水が異常に増加するために起こる災害。一般には、堤防が壊れたり、川の水が堤防を越えてはんらんすることを洪水と呼びます外水氾濫ともいいます。
□浸水害
・大雨によって排水が追いつかず、下水溝、用水溝などがあふれたり、川の増水や高潮によって排水がじゃまされて起こる災害。内水氾濫ともいいます。
□山崩れ・がけ崩れ害
・大雨や雪解け水が原因となり、山の斜面や、自然の急傾斜のがけ、人工的な切り取りや造成による急な斜面が急激に崩れ落ちることによって起こる災害。
前触れ
・小石がパラパラ落ちる・がけにさけめができる・がけから水が湧き出てくる
□土石流害
・渓流地帯に崩れ落ちてたまった土砂や岩石が、洪水によって一気に下流に押し流されたり、斜面を転がり落ちる土砂や岩石が多量の水分を含んで流れ落ちることにより起こる災害。
前触れ
- 山鳴りやドンという音がする
- 川の水が急に減り始める
□地滑り害
・斜面の土壌が比較的ゆっくりと滑り落ちることによって起こる災害。地質や地下水などの影響が大きく、降雨や融雪などが原因となって特定の場所に発生します。
前触れ
・地面にひび割れができる
・陥没や隆起が起こる
【都市部の水害】
・地面がほとんど舗装されているため、雨水が地面へ染み込まず、地表面を流れ、短時間で川の増水が始まります。また、下水道の整備、発達で雨水が川に集まり、さらに増水のスピードが早くなります。
このような地域では、長雨や大雨の場合にはできるだけ風呂や洗濯などの排水を控えて、少しでも下水へ流れ込む水の量を減らすようにしましょう。広範囲の家庭の排水が集まると、大量の排水となるからです。
雷について
【雷とは】
・ 積乱雲(入道雲)の中で電圧がある程度高くなると、放電が起こります。これが稲妻です。このときの電圧は約10億ボルトと大変高くなっています。また、放電した瞬間に空気が30000℃に熱せられ、一瞬で膨張します。膨張によって空気が震え、大きなゴロゴロという音(雷鳴)が鳴り響きます。この雲が大きくなって地面との距離が近づいたり、静電気の量が多くなってくると、木などの電気を通すものに静電気が発生することがあります。雲と木などの間の電圧が限界を超えると放電し、落雷が起こります。
【雷から身を守る】
□安全な場所
- 鉄筋コンクリートの建物の中
- 自動車の中
□家の中での注意
- 壁や柱によりかからず、部屋の中央にいるようにしましょう。
- 電灯の近く、風呂場などの湿った場所は避けましょう。
- 電灯線、電話線、アンテナ線など、外から引き込んでいる導線から1メートル以上離れましょう。
□野外での注意
- 避雷針、鉄塔、送電線の塔が近くにある場合、その最も高いところを45度で見上げる位置より内側に避難しましょう。ただし、塔から2メートル以上離れましょう。
- 高さが10メートル以上の木が近くにある場合、木の根元から5~10メートル離れた場所で姿勢を低くしましょう。
このとき、どの枝、葉先からも2メートル以上離れることが大切です。
- 低い木の下に避難することは危険です。
- 傘や釣竿、ゴルフクラブなど、長い物は頭より高く上げないようにしましょう。
- 山の頂上や尾根、岩場、川などの水辺は危険ですので早めに離れるようにしましょう。
- 野外で大勢の人が集まると、雷が落ちる危険があるので、散らばって避難しましょう。ゴム長靴やレインコートも絶縁には役立ちません。テントもけして安全ではありません。