更新日:2019年3月18日
建築物のアスベスト対策
現在では、建築物にアスベストの飛散のおそれのある建築材料を使用することは禁止されていますが、過去に建てられた建築物においては吹付け材にアスベストが含まれている建築物があり、露出したままで放置しているとアスベストが飛散するおそれがあります。露出した吹付けがされている建築物については、分析調査を実施し、アスベストの飛散のおそれがある場合には、速やかな対策が必要です。
アスベスト対策方法
1.アスベストとは?
- アスベストは、天然の鉱物で石綿(せきめん、いしわた)と呼ばれ、熱や摩擦等に強い特性があるため、これまで建築資材としてさまざまな形で使われてきました。
- アスベストには、クリソタイル、クロシドライト、アモサイト、アクチノライト、アンソフィライト、トレモライトの6種類があり、すべてを対象として分析調査を行う必要があります。
- アスベストの繊維は極めて細く軽いので、空気中に浮遊しやすく、人が吸入しやすいという特徴があります。アスベストを吸入すると肺の中に長期間残留するため、肺がんや悪性中皮腫等の原因となるおそれがあります。
- 吹付けアスベストは昭和50年に原則禁止となり、アスベスト含有吹付けロックウールは平成元年までに使用が中止されました。また、平成18年9月1日施行の労働安全衛生法施行令の改正により、石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の製造・使用等が禁止されました。
2.まずはアスベスト含有の有無を調査しましょう!
- 吹付けアスベスト等の発見
露出して施工されている吹付けアスベスト等の有無について、建物を建設した業者等への「問い合わせ」や「図面・資料による確認」「目視」等により調査します。 - サンプリング
吹付け材等の「アスベストの有無」や「含有率」について、不明な場合は現物をサンプリングし、分析機関に調査を依頼する必要があります。 - 成分分析
分析機関では、サンプリングした試料の「アスベストの有無」や「含有率」を調べます。
※社団法人 日本作業環境測定協会において、「石綿含有建材中の石綿含有率等分析機関一覧」(外部サイト)が公表されています。
3.アスベスト飛散防止のための工事を行いましょう!
吹き付けられたアスベストは経年により劣化し、その繊維が飛散するおそれがあるため、早急な対策が必要です。なお、対策工事については以下の3つが基本的な工法となります。
- 除去工法
吹付けアスベスト等を下地から取り除く方法。アスベスト含有建材が完全に除去されるので、最も確実に建物を安全にする工法です。 - 封じ込め工法
吹付けアスベスト等の層を残したまま、薬剤等を含浸したり、造膜材を散布し、吹付けアスベスト等を固定することで飛散を防止する工法。除去工法より安価ですが、建物の取壊し時には、除去工事が必要になります。 - 囲い込み工法
吹付けアスベスト等の層を残したまま板状材料等で覆うことで、粉じんの飛散や損傷防止等を図る工法。除去工法より安価ですが、建物の取壊し時には、除去工事が必要になります。
関連情報
国土交通省「一般向け建築物のアスベスト対策パンフレット」(外部サイト)
国土交通省「建築基準法による石綿規制の概要」(外部サイト)
国土交通省「目で見るアスベスト建材」(外部サイト)
国土交通省・経済産業省「石綿(アスベスト)含有建材データベース」(外部サイト)