喫煙と健康

更新日:2023年1月20日

〔新着情報〕禁煙補助薬チャンピックスの出荷保留/禁煙外来の一時休診の情報について

2021年6月~禁煙外来の治療に使用される医薬品チャンピックスが、出荷保留となっております。
それに伴い、那覇市内・県内の禁煙外来も一時休診している状況があります。
保留理由や再会目途、治療中の患者様への補償につきましては、ページ内”禁煙のすすめ・禁煙外来”に掲載しております。
なお最新情報が入り次第、こちらのページでも情報更新いたします。

たばこを吸っている本人の場合(喫煙:一次喫煙)

たばこ煙には発がん性物質が約70種

たばこの煙には約5,300種類の化学物質が、その中には約70種類の発がん性物質が含まれています。これらの物質はのど、肺などたばこの煙に直接触れる場所でだけでなく、血液を通じて全身に運ばれ、がんの原因となります。
がん以外にも、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、虚血性心疾患や脳卒中の原因となります。

「ニコチン」の依存症によりやめにくい

ニコチンは、たばこへの依存性を高める化学物質です。使用を止める困難さや離脱症状の厳しさなどにおいて、ヘロインやコカインなどの薬物と同等の特徴と強度を有しています。
たばこにはメンソールやココアなどの化学物質が添加され、喫煙者がより多くのニコチンを摂取するように作られています。

たばこを吸っている本人はこんなに病気になりやすくなる(根拠十分:レベル1)

レベル1は「科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である」と判定された疾患です。

そのほかの喫煙者本人への影響(因果関係を示唆:レベル2)
がん 急性骨髄性白血病 乳がん 腎盂尿管・腎細胞がん 大腸がん 子宮体がん(リスク減少) 前立腺がん(死亡)
妊娠・出産

生殖能力低下 子癇前症・妊娠高血圧症候群(リスク減少)
子宮外妊娠・常位胎盤早期剥離・前置胎盤

その他の疾患

認知症 う蝕(むし歯) 口腔インプラント失敗 歯の喪失 気管支喘息(発症・増悪) 胸部大動脈瘤 結核(発症・再発) 
特発性肺線維症 閉経後の骨密度低下 大腿骨近位部骨折 間接リウマチ 日常生活動作の低下


レベル2は、「科学的証拠は、因果関係を示唆しているが十分ではない」ものです。

たばこを吸っている人のまわりの人(受動喫煙:二次喫煙)

副流煙には発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などの有害物質が主流煙の数倍も含まれる

たばこの煙は、喫煙者が吸い込む「主流煙」と燃えているたばこから立ち昇る「副流煙」に分けられます。
ニコチン、タール、一酸化炭素などの有害物質の発生は、主流煙より副流煙の方が多く、中には主流煙の数十倍に昇る量が副流煙に含まれる有害物質もあります(図1-3)。
主流煙は煙の量は多いのですが、有害物質は少なくなり、たばこを吸わない人は、吸った人の吐き出した主流煙(呼出煙)と副流煙の混合物を吸うことになります。副流煙のほうが有害物質が多く、85%を占めると言われています。

主流煙と副流煙

受動喫煙でまわりの人はこんなにも危険が高くなる(根拠十分:レベル1)

受動喫煙が大人の健康に及ぼす影響では、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中がレベル1と判定されています。また、たばこの煙による呼吸器の急性影響についてもレベル1です。鼻腔・副鼻腔がん、乳がん、慢性呼吸器症状、喘息などへの影響はレベル2と判定されています。

子どもの受動喫煙でレベル1と判定されているのは、乳幼児突然死症候群(SIDS)と喘息の既往です。子どもの呼吸器症状や呼吸機能の低下、むし歯などについてはレベル2と判定されています。未成年者の喫煙は。がんや循環器疾患だけでなく全死因の死亡リスクを増加させます。

そのほかの受動喫煙による健康影響(因果関係を示唆:レベル2)
大人

鼻腔・副鼻腔がん 乳がん 
《急性影響》 急性呼吸器症状(喘息患者・健常者) 急性の呼吸機能低下(喘息患者)
《慢性影響》 慢性呼吸器症状 呼吸機能低下 喘息の発症・コントロール悪化 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
《妊娠・出産》 低出生体重・胎児発育遅延

子ども 喘息の重症化 喘息の発症 呼吸機能低下 学童期の咳・痰・喘鳴・息切れ 中耳疾患 う蝕(むし歯)

《出典》 厚生労働省 喫煙の健康影響に関する検討会報告書概要(平成28年8月)

三次喫煙(残留受動喫煙)とは

三次喫煙は、たばこの煙そのものに曝露される受動喫煙とは異なり、たばこの火が消された後も残留する化学物質を吸入することをいいます。
たばこ由来のニコチンや化学物質は、喫煙者の呼気や毛髪、衣類、部屋や自動車のソファやカーペット、カーテンなどの表面に付着して残留することが知られています。
それが反応、再放散したものが汚染源になり、三次喫煙が発生すると考えられています。
部屋で過ごす時間が長い乳幼児では三次喫煙による影響が懸念されます。研究はまだ少なく、健康影響についてもまだ明らかでありません。しかし、三次喫煙を防ぐ方法は屋内を完全禁煙にすることです。
(厚労省e-ヘルスネットより抜粋)
換気、空気清浄機、消臭剤ではたばこ残留物を取り除くことはできません。
たばこの煙を吸い込んでいる喫煙者の呼気には、大量のガス状有害物質が含まれ、呼気による喫煙の影響がなくなるまで30分から45分の時間が必要と言われています。

3次喫煙の実験結果

喫煙後の呼気に含まれるガス状物質(TVOC):喫煙後の呼気はたばこ臭い、戻るまでに45分必要。
実験:喫煙する前の呼気、および、屋外で喫煙して室内に戻った時の呼気に含まれるTVOCの濃度のリアルタイムモニタリングを行った。
《出典:産業医科大学 大和浩教授》

禁煙のすすめ・禁煙外来

医療機関でなら比較的楽に、より確実に禁煙できます!

禁煙補助薬を使うことで離脱症状が抑えられ、比較的楽にやめられます。
禁煙外来の利用で、成功率は7割から8割と成果が上がっています。

注意)現在、禁煙外来の治療に使用される禁煙補助薬チャンピックスが、出荷保留となっております。それに伴い、那覇市内・県内の禁煙外来も休診している状況があります。
なお製造元からは、禁煙補助薬の供給再開については、早くて2022年後半を想定しているとのことです。(2021年11月現在)

ニコチン依存症スクリーニングテスト

以下の各設問に対し、「はい」又は「いいえ」で回答してください。「はい」の回答一つにつき、1点を加算します。合計点が5点以上でニコチン依存症と判定されます。
注:最終的なニコチン依存症の診断は医師が行います。健康保険等の適用が可能かどうかは別途確認してください。

Q1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
Q2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。
Q3 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。
Q4

禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。

イライラ・眠気・神経質・胃のむかつき・落ち着かない・脈が遅い・集中しにくい・手のふるえ・ゆううつ・食欲または体重増加・頭痛
Q5 上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
Q6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
Q7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
Q8 タバコのために自分に精神的問題(※)が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。
Q9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
Q10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。

※禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
引用元:Kawakami,N.et al.:Addict Behav 24(2):155,1999

5月31日は「世界禁煙デー」・毎年5月31日から6月6日は「禁煙週間」です

「世界禁煙デー」は、たばこを吸わないことが一般的な社会習慣となることを目指しつくられました。
那覇市保健所では、「禁煙週間」には、保健所1階ロビーにてパネル展示いたします。
たばこと健康に関するパンフレットや、禁煙に取り組みたいと考えている方へのパンフレットも配布していますので、ご活用ください。
ぜひ、足をお運びください。

[パネル展の開催](例年5月31日~)

関連情報

お問い合わせ

健康部 健康増進課 健康づくりグループ

〒902-0076 沖縄県那覇市与儀1丁目3番21号

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ファクス:098-853-7965