更新日:2020年4月1日
那覇市都市計画マスタープラン
那覇市都市計画マスタープランは、平成11年4月に策定され(平成24年に一部改定)、まちづくりの目標に沿った道路や公園などの都市施設の計画的な整備、土地利用の規制と誘導の見直しなどを進めてきました。
当初策定から約20年が経過し、観光客の急激な増加や周辺市町村での大規模開発、地球環境問題など、本市を取り巻く状況は大きく変化しています。今後は人口減少や超高齢社会の到来が予測されており、持続可能な都市への対応も求められています。また、効果的なまちづくりを進めるために、多様な主体との連携とともに、市民主体の取り組みの重要性も高まっています。
本市を取り巻く状況や背景となる問題の変化を適切にとらえ、今後のまちづくりの方向性を改めて定めるため、令和2年3月に新たに策定し、4月からスタートしました。
都市計画マスタープランとは
那覇市総合計画の将来像の実現に向け、主にハード面からのアプローチによるまちづくりの目標や方向性を示すものです。行政だけではなく、市民のみなさんや事業者のみなさんなど、多様な主体とまちづくりの目標を共有するための計画です。
位置づけ
都市計画マスタープランは、都市計画法第18条の2に基づく計画で、「市町村の都市計画の基本的な方針」を定めるものです。沖縄県が策定する「那覇広域都市計画『都市計画区域の整備、開発及び保全の方針』」や本市の「第5次那覇市総合計画(基本構想・基本計画)」などを上位計画としています。
まちづくりの目標
第5次那覇市総合計画では、人々が支えあう中で、愛着と誇りを持ち、自慢の那覇市を築いていくため「なはで暮らし、働き、育てよう!笑顔広がる元気なまち NAHA~みんなでつなごう市民力~」をまちづくりの将来像に掲げています。 総合計画の将来像実現のために市民アンケートやワークショップの意見、本市の課題などを踏まえ、今後20年間の都市整備に関わる9つの「まちづくりの目標」を定めました。
1.魅力あふれるコンパクトなまち 6.観光・経済が躍動するまち
2.だれもが移動しやすいまち 7.災害に強くしなやかなまち
3.みんないきいき暮らせるまち 8.人と地球にやさしいまち
4.自然ゆたかな水とみどりと花のまち 9.持続可能な都市経営ができるまち
5.那覇らしい歴史や文化の薫るまち
分野別まちづくり方針
「まちづくりの目標」に向かった取り組みの方向性として、土地利用、市街地形成、都市交通体系、都市環境形成、景観まちづくり、防災まちづくり、福祉・交流まちづくり、観光・交流まちづくり、イノベーションまちづくりの9つの分野について、それぞれ基本的な方針を定めました。
1. 土地利用の方針
【1-1】都市基盤を活かした土地利用の推進
【1-2】地域の特徴を活かした戦略的な土地利用の推進
【1-3】きめ細やかな土地利用の推進
2. 市街地形成の方針
【2-1】都市の活力を創造させる市街地の形成
【2-2】生活の質を向上させる市街地の形成
【2-3】コンパクトで利便性の高い市街地の形成
【2-4】都市ストックの多様な視点からの活用
3. 都市交通体系の方針
【3-1】都市交通に対する考え方の転換
【3-2】誰もが移動しやすい公共交通ネットワークの形成
【3-3】市街地を整序する道路網体系の整備
【3-4】地域の顔、生活の場となる道づくり
4. 都市環境形成の方針
【4-1】市街地の低炭素化の推進
【4-2】水と緑が持つ多様な機能の向上
【4-3】多様な生物が生息・生育する環境の形成
【4-4】墓地の集約化の推進
5. 景観まちづくりの方針
【5-1】那覇らしさを特徴づける景観の骨格づくり
【5-2】地域の個性を活かし多様な空間が織り成す景観づくり
【5-3】風格と魅力を兼ね備えた新たな都市美の創造
【5-4】総合的な景観形成の推進
6. 防災まちづくりの方針
【6-1】災害に強いまちづくりの推進
【6-2】災害時の拠点やライフラインの機能強化
【6-3】協働による防災まちづくりの推進
7. 福祉・交流まちづくりの方針
【7-1】ユニバーサルデザインによるまちづくりの推進
【7-2】気軽に出かけたくなるまちの形成
【7-3】住み続けられる良質な住環境の形成
8. 観光・交流まちづくりの方針
【8-1】都市観光の魅力を感じるまちづくりの推進
【8-2】快適に観光が楽しめるまちづくりの推進
【8-3】中心市街地の再生と新たな交流が生まれるまちづくりの推進
【8-4】歴史・芸術・文化でつなぐまちづくりの推進
9. イノベーションまちづくりの方針
【9-1】人が出会い刺激し合える場所づくり
【9-2】時代の変化に柔軟に対応するしなやかなまちづくりの推進
地域まちづくり方針
「まちづくりの目標」に向かった取り組みの方向性である「分野別まちづくり方針」を基に、それぞれの地域の現状や特徴を踏まえた地域ごとの方針として、「地域まちづくり方針」を定めました。
地域区分は、地域の将来像を描きまちづくりの方針を描く上で、適切なまとまりを考慮し区分します。本市は那覇市、首里市、真和志市、小禄村の編入合併により誕生した都市であるため、大きく4つの特色ある地域を形成しています。また南北方向に国道58号と国道330号、東西方向に国場川があり、都市の骨格を形成しています。地域区分にあたっては、まちの成り立ちと幹線道路や河川などの地形地物を基本に、土地利用や市街地のまとまりなどの要素を基に次の9つに区分しました。
- 那覇新港周辺地域:港湾施設とその背後の住宅地
- 那覇北地域 :那覇新都心を中心とする新市街地
- 首里北地域 :首里の北側で急激に広がった住宅地
- 首里地域 :首里城を中心とした歴史・文化の薫る地域
- 真和志地域 :戦後急激に広がった住宅地
- 那覇中央地域 :商業・業務施設が集積する中心市街地
- 那覇西地域 :海岸、港などの水辺空間の西海岸地域
- 小禄地域 :軍用跡地の新市街地を中心とした住宅地
- 那覇空港周辺地域:那覇空港および那覇軍港とその背後地
まちづくりの進め方
本マスタープランでは、総合計画の将来像の実現に向け、主にハード面からのアプローチによる「まちづくりの目標」、「分野別まちづくり方針」、「地域まちづくり方針」を示しました。今後はこの目標や方針に基づき、それぞれの施策を進めていきます。本市に暮らす人、働く人、学ぶ人、訪れる人、一人ひとりが自らの理想の暮らしを実現するための身近な存在のひとつである「まち」に目を向け、互いに連携し、それぞれの強みを活かし合いながら携わることで、まちづくりの目標が少しずつ実現に近づいていくことを期待します。
計画書
都市計画マスタープラン
概要版
閲覧場所
・各市立図書館(中央、牧志ほしぞら、小禄、石嶺、首里、若狭、繁多川)
・市政情報センター(本庁舎1階)
・都市計画課窓口(本庁舎9階)