更新日:2025年6月13日
梅毒とは
梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema Pallidum)に感染することによって起こる感染症です。主に性行為やキスなど、粘膜などの接触により感染する性感染症です。また、感染しても終生免疫は得られず、何度でも感染します。特に、パートナーも感染していた場合、自身が治療を受けたとしても、パートナーが治療を受けなければ性行為を通して再感染が起こりえます。
那覇市の発生動向
当市では中核市となった2013(平成25)年以降、2023年に49例が報告され、過去最多を更新しました。2024年の報告数は33件と減少しましたが、少ない数ではありません。2025年は5月25日時点までに、11件の報告がありました。
感染予防や検査による早期発見・早期治療が大切です。気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
梅毒は治療することで、完治しますが、再感染の予防が必要です。大切なパートナーと一緒に検査、治療を行いましょう。
※2025年の数値は、全国・沖縄県は2025年5月18日時点、那覇市は2025年5月25日時点のものです。
症状
1期(感染から約3週間)・・・
感染が起きた部位(陰部やくちびる、口の中、肛門など)にしこり(初期硬結)やただれ・ 潰瘍(硬性下疳)が出ます。股またの付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。痛みがないことが多く、気づかない場合もあります。治療をしなくても、症状が消えますが、体内から病原体がいなくなったわけではありません。
2期(感染から約数か月)・・・
痛みやかゆみがない、3~10mm程度の赤い発疹(バラ疹)が、手のひらや足のうら、体中に広がります。治療をしなくても症状が消えたり、再発を繰り返したりし、皮膚や内臓で静かに進んでいきます。
晩期顕性梅毒(感染から数年から数十年)・・・
治療をしないまま数年が経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。心臓や血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ(神経梅毒、心血管梅毒など)、時に死にいたることもあります。
※必ずしもこの症状をたどるわけではなく、1期と2期の症状が同時に出たり、神経梅毒が早期に出たりします。
先天梅毒
女性が妊娠中に梅毒に感染し、 おなかの中の赤ちゃんにも感染することで起こります。生後数カ月以内に発疹や骨に異常が出たり 、数年後に目の炎症や難聴などが出たりすることもあります。
先天梅毒は、妊婦健診(初期)で、お母さんが梅毒にかかっているかどうかを調べる血液検査があります。陽性と診断された場合は適切な治療を受けることで、赤ちゃんが先天梅毒となるリスクを減らすことができるため、早めの検査・治療がとても大切です。お母さんと赤ちゃんの健康のためにも、妊婦健診は必ず受けましょう。
治療
梅毒にはペニシリン系などの抗生物質が有効です。内服治療の場合、内服期間は病期などを考慮して医師が判断します。医師の許可を得るまでは、症状が良くなっても、自己判断で内服を中断しないようにしましょう。
また、医師が安全と判断するまでは、性交渉等の感染拡大につながる行為は控えましょう。感染の可能性がある周囲の方(パートナー等)も検査を受け、必要に応じて治療を受けることが重要です。
感染を防ぐために
〇不特定多数や見知らぬ相手とは性行為をしないことも予防になります。
〇セックスパートナーがいれば、一緒に検査を受けましょう。二人とも性感染症に感染しておらず、お互いに他の性交渉の相手がいなければ、二人の性行為は安全です。
〇コンドームの使用は、避妊だけでなく、性感染症予防にも効果があります。膣性交だけでなくオーラルセックスやアナルセックスのときも相手の精液・膣分泌液とあなたの粘膜(性器や肛門、口腔)が直接接触しないよう、コンドームを適切に使用しましょう。
〇心配な”感染の可能性のある行動”があれば性感染症の検査を積極的に検査を受けましょう。性感染症の検査は保健所や医療機関でも実施しているところもあります。定期的に検査を受けている方もいます。
〇気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
那覇市保健所でのHIV・性感染症検査についてはこちら↓
検査日程のお知らせ(HIV・性感染症・肝炎ウイルス検査等)
関連情報
政府広報オンライン「梅毒患者が急増中!検査と治療であなた自身と大切な人、生まれてくる赤ちゃんを守ろう」(外部サイト)
性感染症検査・相談マップ(厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業) 梅毒って、なに?(外部サイト)
国立健康危機管理研究機構JIHS「2011~2017年の沖縄県における梅毒患者発生状況」(外部サイト)
国立健康危機管理研究機構JIHS「感染症発生動向調査に基づく妊娠中の女性における梅毒の届出、2022~2023年」(外部サイト)