レジオネラ症を防止するために

更新日:2019年3月18日

レジオネラ症を防止するために(特に、公衆浴場や社会福祉施設を営んでいる皆様へ)
 
 近年、新聞やテレビなどでレジオネラ症という病気が話題になっています。この病気を引き起こす原因菌は、レジオネラ属菌というもので、冷却塔や循環式浴槽、加湿器などの設備の維持管理が不適切な場合、この中でレジオネラ属菌が繁殖し、その飛沫が人の呼吸器系に入り病気を引き起こすものです。
 ここ数年、循環式浴槽や加湿器などを感染源とするレジオネラ肺炎による死亡例が報告されており、このような設備における衛生的な維持管理が一層求められているところです。このページでは、レジオネラ症を防止するためのさまざまな手段について、ふれたいと思います。
 
1.レジオネラ症とは?
 レジオネラ症とは、レジオネラ属菌が原因となって引き起こされる感染症です。レジオネラ肺炎と、発熱のみで肺炎には至らないポンティアック熱がありますが、このうち問題になるのはレジオネラ肺炎です。
 (レジオネラ肺炎の特徴)
 レジオネラ肺炎は発症すると死亡することもある恐い感染症です。
 
潜伏期:2~10日(平均4~5日)
症状:悪寒・高熱・全身倦怠感・頭痛・筋肉痛などが起こり、呼吸器症状として痰の少ない咳、少量の粘性痰、胸痛、呼吸困難がある。
病状:病気の進行が早く、死亡例は発病から7日以内が多い。医療機関への受診が遅れ、有効な抗生剤治療が間に合わないと、致死率は60~70%にもなる。
かかりやすい人:高齢者や病気にかかっている人、免疫力が低下している人
 
 (どうやって発症するの?)
 レジオネラ肺炎は浴槽水中などのレジオネラ属菌を細かな水滴(エアロゾル)として肺に吸い込むことで発症します。
 
2.レジオネラ属菌と「ぬめり」
 (レジオネラ属菌とは)
 レジオネラ属菌は本来、土や河川などの自然環境中に生息している細菌ですが、自然界ではそれほど増えません。ところが、浴槽中等にレジオネラ属菌が入り込むと、配管等に発生する「ぬめり」の中でアメーバなどに寄生して増殖し、その結果、浴槽水中に多数のレジオネラ属菌が出てきます。このレジオネラ属菌をエアロゾルとして肺に吸い込むことでレジオネラ症が発症します。
 
(レジオネラ症対策は「ぬめり」対策)
 レジオネラ症対策は「ぬめり」対策です。では、「ぬめり」とは何でしょうか?
 家庭のお風呂でも、清掃していない浴槽の排水口などはぬるぬるしていると思います。レジオネラ属菌は、この「ぬめり」の中でアメーバに寄生して増えていきます。そして、いったんこの「ぬめり」が出来上がると、塩素系薬剤などの消毒薬が「ぬめり」の中まで届かないので、レジオネラ属菌はますます増えることになります。
 
3.レジオネラ症を予防する3原則
 レジオネラ症を予防するためには、レジオネラ属菌が増えていくすみかである「ぬめり」を作らないようにし、レジオネラ属菌を肺に吸い込ませないことが大切です。このため、次の3原則に従い管理を行います。
 
 「ぬめり」を(1)つけない ⇒ 設備の管理・水の管理
 ※浴槽水の換水、集毛器の清掃、残留塩素濃度の保持など、日常の管理を適切に行います。
 
「ぬめり」を(2)取り除く ⇒ 設備の管理
 ※週に1回以上はろ過器の逆洗浄等と配管の消毒を行います。
 
 「レジオネラ属菌」を(3)吸い込ませない ⇒ 設備の管理
※ 毎日換水しない浴槽はレジオネラ属菌増殖のリスクが高いので、ジャグジー・ジェット噴射装置などのエアロゾル発生装置や、人工滝等、飛沫が生じるような装置は使用しないようにします。
 
4.設備の管理について
 3.で示した予防3原則のすべてにおいて重要になるのが、「設備の管理」です。特に、ろ過器の清掃や浴槽水の換水については、効果的な浴槽管理のすべての基礎になります。また、ろ材の種類によって管理方法も変わります。ろ材の種類に応じた、適切な維持管理を心がけましょう。
 
5.水の管理
 浴槽水など、使用する水の残留塩素濃度は、遊離残留塩素濃度として、0.4~1.0ミリグラム/Lの測定値を維持できるように管理してください。 
 また、使用時間や使用人数によって、残留塩素濃度の値は変化します。特に多数人が使用する場合、残留塩素濃度が急速に低下します。時間や人数に応じて、残留塩素濃度が適正に保たれるように測定を実施してください。
 また、使用水を貯める貯湯槽等の設備は、水温を55℃以上に保つよう、管理を行ってください。
 
 なお、日常の管理に際しては、次に示すパンフレットもご利用ください。
 
 【よく知ろう「レジオネラ症」とお風呂の衛生管理】(PDF:4,780KB)
 
以上の点について、お伺いしたい点・ご不明な点がございましたら、下記窓口へご連絡ください。
 

お問い合わせ

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