更新日:2019年3月18日
平成27年10月 市長メッセージ
「平和への祈り そして恒久平和への誓いて」
はいたい ぐすーよー ちゅーうがなびら。
太陽の日差しも少し和らぎ、朝夕は涼しい季節となりました。
市民の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今年は戦後70年の節目の年を迎えております。今年6月の市長メッセージでも戦後70年について触れましたが、今月の市長メッセージでは、71年前の「10・10空襲」にまつわるエピソードをご紹介しながら、あらためて平和について考える機会にしたいと思います。
1944年(昭和19年)10月10日。早朝7時前から午後4時頃まで、記録では5次に渡る空襲を受け、全焼・全壊した家屋が1万1400余戸にも上り、旧那覇市全域の90%が灰燼(かいじん)に帰してしまうとともに、多くの尊い人命が犠牲となってしまいました。
この惨状を知った徳島県の川内村(かわうちそん)川内北国民学校(現・徳島市立川内北小学校)の子どもたちや群馬県伊勢崎市の北国民学校(現・伊勢崎市立北小学校)高等科の女生徒一人などから、被災した那覇の子どもたちのためにと、本市へ慰問金や慰問の手紙が送られてきました。当時、この出来事を報道した新聞記事(那覇市教育史資料編に収録*1)によりますと、「勉強する建物のない学校、住む家もない人々を想像し、那覇の子どもたちはどうしているのだろう」とじっとしていられない気持ちになったそうです。そこで、縄をなったり、イナゴをとったりして得たお金や、お小遣いを貯めたお金を慰問金として送ってくれたというエピソードです。
このように、人の身になって考え、人の心に寄り添う子どもたちの真心は、まことにありがたいものであり、私たちは未来永劫忘れることがあってはなりません。
本市といたしましても、例えば東日本大震災や大型台風等により被災された方々への支援など、この子どもたちの真心と同じように、いざというときに温かい手を差し伸べていくことをこれからも常としてまいります。そのことが、平和への第一歩になるのではないでしょうか。
今の物質的に豊かな時代にあって、私たちは何より歴史に学び、多くの人々の温かい心遣いを忘れることなく、10月10日という日に平和への祈りを捧げるとともに、恒久平和への誓いを新たにしたいものです。
平成27年10月
那覇市長 城間 幹子
*1 那覇市教育史 資料編(445頁~446頁)
・3 県外から那覇の子らへの激励(PDF:127KB)