1月市長メッセージ

更新日:2019年3月18日

平成27年1月 市長メッセージ
「あらたまぬ年に 炭と昆布かざて 心から姿若くなゆさ」
 
 はいたい ぐすーよー 若水うさがみそーちゃがやーたい
 あけましておめでとうございます。市民の皆様には、ご家族そろって良い年明けをお迎えになり、今年の目標を定めたり、年頭の誓いを立てたりしながら、新年の一歩を踏み出したことと思います。
 私も第32代那覇市長として初めての正月を迎えるなかで、あらためて責任の重さを自覚するとともに、市民の皆様の安心・安全な生活をしっかりと守っていくと、誓いを新たにしたところです。
 さて、今月のタイトルは、お祝いの宴席などで幕開けとして馴染み深い、かぎやで風(かじゃでぃふう)の一首で、新年を迎える心境を詠んだ琉歌であります。
 「あらたまぬ とぅしに たんとぅ くぶ かざゃてぃ くくるから すぃがた わかく なゆさ」
と読みますが、「あらたま」とは標音評釈 琉歌全集(島袋盛敏・翁長俊郎 著 武蔵野書院刊)によりますと「掘り出したまま加工しない玉。あらたまのといってあらたまる年にかけていう。」とあります。
 また、この歌の意味は「新年になるとたんと喜ぶという縁起を祝って、炭と昆布をかざり、心も姿も若くなったような気がするものだ。実は新年になったからといって、旧年と何の変わることもないのに、人間の心というものは不思議なもので、新年になると心も体も若くなったような気持ちになって、新しい希望を抱いたり、新しい気分を起こしたりして、新しい生活を始めようとするから面白いものだ」と解説されています。
 「年をとるのではなく、心も姿も若くなる。」
 なんとも不思議なものですが、年齢を重ねていく中で、そういった新年のあらたまる気持ちというものは、今も昔も変わらないのだなと思います。
 さて琉球文化は、沖縄の気候・風土が織りなす豊かな自然と、日本や東アジアなどとの交流による様々な文化の影響を受けながら育まれ、大切に紡がれてきました。そうした琉球文化の一つである琉歌は、8,8,8,6のわずか30文字の中に生活や風習、あるいは読み人のその時々の心境が実に豊かに表現されていて、時代が移り変わっても人々の思いや人情は変わることなく、今も脈々と私たちの心の中に宿っていることを思い出させてくれます。
 私は、この琉歌をはじめ、琉球舞踊や空手、エイサーなど、先達から受け継いがれてきた伝統や文化は、沖縄のソフトパワーの源だと思っています。だからこそ、若者が将来に夢や希望を持てる、魅力ある地方を創りあげていくためにも、伝統・文化を継承発展させるまちづくりに取り組んでまいります。
 最後に、名護(なご)親方(うぇーかた)(程順則)の琉球いろは歌のひとつを御紹介します。
 「櫓舵定めてど 船も走らしゆる 寸分はじらすな 肝の手綱(るかじさだみてぃどぅ ふにんはらしゆる すんぷはじらすな ちむぬたんな)」
 船は櫓や舵を定めて走らせるように、人生も目的を定めて、心の手綱を緩めず、日々の生活の方向をしっかりと定めることが大切だと私は理解しています。
 この言葉を心に刻み、新しい年も「風格ある県都・那覇市」の発展という目標に向かって邁進してまいります。
 くとぅしん ゆたさるぐとぅ うにげーさびら。
 平成27年1月吉日
 那覇市長 城間 幹子

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