沖縄県の市町村国保に対する財政支援を求める意見書

更新日:2019年3月18日

議決結果

 
沖縄県の市町村国保に対する財政支援を求める意見書
 
 本市を含めた本県市町村国保の財政状況は、平成20年度の高齢者医療制度改革として導入した「前期高齢者財政調整制度」以降、急激に悪化している。
 そのため、本市においては、平成21年度から平成27年度までに国保の赤字補てんのために、一般会計から93億5千万円もの莫大な繰入を余議なくされた。そのことで、本市の一般会計の各種事業運営に多大な支障をきたしている。しかし、それでもなお、本市国保は、平成27年度末の累積赤字は32億2,015万円となっている。
 本市の国保財政の実質的な収支は、毎年、20億円前後の赤字である。そのため、国保財政の責任主体が都道府県へ移行する平成30年度までに、累積赤字を解消するためには平成28年度と平成29年度の2年間で約86億円もの金額を一般会計から繰入れしなければならない状況である。
 平成26年度の本県の前期高齢者加入割合は19.5%で、全国平均は36.7%である。本県は、全国平均より17%以上も乖離して低くなっていることから、国保の被保険者一人当たりの前期高齢者交付金は、全国平均99,451円に対し、本県は全国平均の5分の1程度の16,452円しかない。それが、本県市町村国保が悪化した大きな要因である。
 本県の前期高齢者加入割合が低い要因は、40年以上も連続して出生率が全国第1位であることに加え、先の地上戦と収容所生活の影響等で生きていれば前期高齢者となりえた方々の出生数の低さ等にある。
 また、平成26年度の本市国保の実質的な収支は、約23億7千万円の赤字である。一方、本市の国保税の収入額は63億円程度であり、本市を含めた本県の被保険者一人当たりの調定額は61,500円で、全国平均93,203円の66.0%程度の現状においては、国保税の値上げ等による赤字解消は現実的には無理がある。
 本県の市町村国保財政が赤字となる大きな要因は、「前期高齢者財政調整制度」が本県にとって不利な制度となっていることにある。同制度は、前期高齢者の加入割合に最も大きな比重を置いて算定される仕組みであること、また、所得水準に応じた財政調整が働かない制度設計になっていることから、全国平均より所得水準が低く、前期高齢者加入割合が著しく低い本県に対しては、特殊事情として考慮すべきであったと考える。
 よって、国においては、このような本市を含めた本県の国保財政の実情を踏まえ、下記事項について特段の措置を講じるよう強く要請する。
 

1 平成28年度以降において、前期高齢者加入割合が著しく乖離して低い本県の前期高齢者交付金と全国平均並みの加入割合で算定される交付金との差額を是正する新たな財政支援措置を講じること。
 
2 平成30年度から実施予定である財政基盤強化策において、沖縄県の特殊事情に配慮した制度設計を講じること。
 
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成28年(2016年)10月27日
那覇市議会
あて先
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
 

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