国民健康保険に対する新たな財政支援措置を求める意見書

更新日:2019年3月18日

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 国民健康保険に対する新たな財政支援措置を求める意見書

 国民健康保険制度は、国民皆保険制度の中核として市町村が運営し国民生活を支える重要な役割を担っている。 ところが、現在の市町村国保は、財政的な構造問題があることから、全国的に極めて厳しい財政運営を強いられている状況にある。
 全国の市町村国保の財政状況は、平成20年度の医療制度改革により新設された「前期高齢者財政調整制度」により、改善したとされている。
 しかし、本市を含めた沖縄県内の市町村国保の現状は、同制度により受ける交付金が少ないことか ら逆に悪化することとなり厳しい財政状況が続いている。要因としては、沖縄県内の市町村国保は、出生率が高いことと、沖縄戦の影響などで前期高齢 者の加入割合が全国より10%以上も低いことから交付金が少ないことにある。
 この問題については、本市の市長である沖縄県市長会会長から平成22年3月に国へ財政支援を要請したことで、平成22年度の特別調整交付金から子どもの数が多い保険者への追加として、約2億8,000万円の財政支援はあったが、本市の国保財政を改善するにはほど遠い金額である。
 ちなみに、本市と前期高齢者の人数、前期高齢者の医療費総額がほぼ同程度である県外の類似都市と比較すると、平成24年度の前期高齢者交付金の額は本市が約35億円、県外の類似都市は約63億円が交付されており、本市との差額が約28億円もある。
 本市国保の一世帯あたりの課税所得に対する保険税(料)負担率は、全国平均を上回っているが、課税所得は全国平均の約7割程度である。そのため、国保財政における歳入に占める保険税(料)の収入割合は当然少なくなっている。そのことから本市国保の歳入において、前期高齢者交付金を除いた国庫・県支出金等の公費の占める割合は、県外の都市国保等と比較すると高くなっている。
 しかし、前期高齢者交付金を含めた国庫・県支出金等の総額を公費等とした場合、本市国保の歳入に占める公費等の割合は、県外の都市国保等と比較すると同程度の割合となっており、所得水準の低い本市国保にとっては、財政調整機能が不十分であると言わざるを得ない。
 よって、本市議会は政府に対し「前期高齢者財政調整制度」による財政上の措置が少ない本市国保に対する、新たな財政支援措置を講じるよう強く要請する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 平成26年(2014年) 3月12日

那覇市議会
 
あて先
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣
 
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