教科書検定に関する意見書

更新日:2019年3月18日

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教科書検定に関する意見書

 2008年度から使用される高校教科書検定結果の公表によると、沖縄戦における「集団自決」の記述について、「日本軍による強制または命令は断定できない」との検定意見により、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させられていたことが明らかになった。

 その根拠として文部科学省は、日本軍による命令を否定する学説が出てきていることや、自決を命じたとされる元軍人らが起こした裁判などを挙げている。

 しかしながら、係争中の裁判を理由にし、かつ一方の当事者の主張のみを取り上げることは、文部科学省自らが課す検定基準である「未確定な時事的事象について断定的に記述しているところはないこと」を逸脱するばかりか、体験者による数多くの証言や、歴史的事実を否定しようとするものである。

 沖縄戦における「集団自決」が、日本軍による命令・強制・誘導等なしに、起こりえなかったことは紛れもない事実であり、そのことがゆがめられることは、悲惨な地上戦を体験し、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられてきた沖縄県民にとって、到底容認できるものではない。

 よって当市議会は、沖縄戦の歴史を正しく伝え、悲惨な戦争が再び起こることがないようにするためにも、今回の検定意見が速やかに撤回されるよう強く要請する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 平成19年(2007年)5月15日

那覇市議会
 
あて先
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣、沖縄県知事
かがみをつけて 沖縄県議会議長
 

平成19年(2007年)5月那覇市議会臨時会(5月15日)

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