沖縄県民に新たな犠牲を強いる恐れがある有事法制の慎重審議を求める意見書

更新日:2019年3月18日

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沖縄県民に新たな犠牲を強いる恐れがある
有事法制の慎重審議を求める意見書

 
 政府は、今国会に有事法制関連3法案を提出し、国会で議論されているところであるが、地方自治体や住民の生活に関わる内容を多く含んでいるだけに、その扱いについては、地方自治体の意見や国民の意見を十分に聞き、慎重を期さなければならないものである。
 
 この法案では、日本が武力攻撃された場合のみならず、「武力攻撃の恐れのある場合」や「武力攻撃の予測される事態」も「武力攻撃事態」と認定されるというものである。また、今回の法案では、地方自治体、電力・ガス会社など指定公共機関に協力が義務づけられ、物資の保管命令を受けた者が、その命令に対して違反を犯した場合は罰せられるという内容になっているが、憲法上保障された国民の権利は最大限に尊重されなければならない。
 
 沖縄県は、去る大戦で20数万人の尊い命が奪われ、県土は焦土と化した。県民は戦後この方、平和な島を建設せねばと願い続けてきたが、戦後60年近くなっても今なお、全国の米軍専用施設の75%が集中させられ、基地による重圧のもとに生活することを強いられ、相次ぐ米軍や米兵による事件・事故による被害を被り続けている。
 
 私たち県民の願いは、一刻も早い米軍基地の整理縮小であり、日米地位協定の抜本的な見直しである。当市議会としても、このことをたびたび国に要請してきたところであるが、今回の有事法制は、この願いに反し新たな犠牲を沖縄県民に強いるものとなるのではとの強い危惧の念を禁じ得ない。よって当市議会は、有事法制については、慎重審議を強く求めるものである。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
 
平成14年(2002年)5月24日
那覇市議会
あて先
内閣総理大臣、外務大臣、防衛庁長官、衆議院議長、参議院議長
 
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