更新日:2019年9月6日
市立こども園における異物混入等について(ご報告)
本市の市立こども園に提供された給食における異物混入等に関し、報道がありました。
このことにより、本市の安全安心な給食提供に関し、保護者や市民の皆様並びに関係者等に対し不安を与え、ご心配をお掛けしていることに対し、深くお詫び申し上げます。
今回の混入等については、本市が委託した事業者が提供した園において、発生しており、当該園の保護者の皆様には、今後、できるだけ早く説明の機会を設ける予定となっております。
保護者や市民の皆様に、取り急ぎ本市の実情及び見解、対策等をお示しさせていただきます。
1 市立こども園における異物混入の件数について
本市の市立こども園における異物混入件数は、以下のとおりとなっております。
年度 | 件数 |
---|---|
2016年度 | 0件 |
2017年度 | 0件 |
2018年度 | 21件(うち危険物2件) |
2019年度(7月末現在) | 13件(うち危険物2件) |
本市では、2016年度より段階的に市立幼稚園のこども園移行を開始しており、2015年度以前は、給食の提供はありません。※異物による園児の健康被害は報告されておりません。
2 給食に混入した異物の分類及び件数について
混入物の種類については、食品衛生法及び厚生労働省監修の食品衛生検査指針理化学編等を参考に整理を行っております。
区分 | 具体的な例 | 今回の事例 | ||
---|---|---|---|---|
異物 | 危険物 | 健康被害のおそれが高いもの | 金属片、ガラス片、鋭利なプラスチック片、陶器片、薬品、衛生害虫(ゴキブリ、ハエ等)など | 塗料片(1)、ポリスチレン片(1)、小バエ(2) |
非危 | 健康被害のおそれが低いもの | ビニール片、毛髪、繊維、スポンジ片、上記以外のプラスチック片、野菜につく虫など | ビニール片、毛髪、木片、野菜につく虫等 | |
原料由来物 | 原料に由来する物質及び食品の変色部分等で、健康被害のおそれが低いもの | 食肉の鋭利な骨で、形状及び大きさ等により判断する | 魚の骨、きのこの石突等 | |
非異物 | 原料由来物 | 上記以外の健康被害のおそれがないもの | 魚の鱗や骨、こげ、たまねぎの皮、米ぬかなど |
3 異物混入の要因
異物混入については、一般的に、事業者の調理中や園での配食中、食材製造業者の製造過程中などの段階で発生する可能性があり、様々なケースが想定されます。このうち事業者の調理中に発生するケースとしては、適正な調理手順の不徹底や調理器具の不良等の要因があげられます。本市の場合、調理中12件、配食中0件、食材製造業者の製造過程中9件、混入経路不明13件となっております。
4 アレルギー事故の件数と内容について
本市の市立こども園におけるアレルギー事故件数と内容は、以下のとおりとなっております。
年度 | 件数 |
---|---|
2016年度 | 0件 |
2017年度 | 0件 |
2018年度 | 1件 |
2019年度(7月末現在) | 0件 |
(2018年度事故の内容)代替食の提供ミスによる健康被害
症状:発疹、嘔吐
対応:園から保護者への連絡を行うともに給食提供事業者へ連絡
その日のうちに園及び事業者から保護者に経緯等を報告し謝罪
原因:アレルギー代替食ではない食事を提供した事
事業者が他のアレルギー用食と錯誤し、配食
園の職員もアレルゲンと代用食材が類似していたため、判別ができなかった。
その後の対策:
(園)配食時の確認を更に丁寧に行い、誤食のないよう気をつける事を全職員で確認・共通理解。
(事業者)調理、小分けまで、その食材・調味料、アレルギーの種類と人数、監督者と責任者が確認し、調理従事者全員に周知する。
※同事業者は、市立こども園で提供する給食について、アレルギー食は卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かにの7品目について対応している。
5 異物混入、アレルギー事故が発生した場合の対応について
(異物混入時)
健康被害のおそれのあるものかどうかを各園長が判断し、給食提供を行うかどうかについては、こども教育保育課と調整し、中止や欠品の決定。これまでに、中止の事例は無。
異物は、業者へ引き渡し、検査機関、あるいは、自社で作業工程等を振り返り、異物を特定し、こども教育保育課に報告。
(アレルギー事故発生時)
本市の「食物アレルギー対応マニュアル」等に基づき対応。
具体的には、重症度別対応表により、症状に合わせ投薬等の対応を行うとともに、医療機関受診や119番通報などの対応を行う。
6 異物混入のあった民間事業者について
報道にある異物混入の発生した民間事業者の市立こども園の給食提供数につきましては以下のとおりとなっております。
年度 | |
---|---|
2016年度 | 1園 65食 |
2017年度 | 3園 260食 |
2018年度 | 9園 771食 |
2019年度(7月末現在) | 10園 871食 |
(事業者の処理許容範囲について)
同社の最大調理可能食数は、設備や人員などを勘案して2,500食となっており、本市の委託分871食分を含む調理食数は、2,120食であり、許容量内であると考えております。
(異物混入発生と委託食数に関する本市の見解)
マスコミ報道においては、事業者提供園の急増が、異物混入の最大の要因のように報道されておりますが、本市としては、現事業者の調理可能食数の確認の上、委託しており、直接の要因ではないと考えております。
しかし、結果としては、食数が増加した平成30年度から異物混入も増加しており、食数の増加が何らかの影響を与えたことも否定できないと考えております。それ以外にも、人手不足という社会情勢の中、調理員の入れ替わりによる影響や調理場の移転なども重なり、異物混入が発生したと分析しております。
(事業者への指導について)
異物混入の報告があった平成30年度においては、異物混入発生時には、その都度ケイタリング業者を呼び出す等により、原因究明の徹底と再発防止策の報告を行うよう指示しました。
それと並行して、事業者の調理現場への指導を強化するため、本市の栄養士が直接調理場に出向き、事業者の栄養士及び調理員に対し、衛生管理、調理工程の確認、調理器具等の管理について指導を計3回行っております。 その際には、こども政策課の担当職員2名も同行し、配送過程等についてもチェックを行っております。
なお、現場での指導が徹底されるよう、後日文書により業務改善の指示も行っております。
今年度はさらに、学校給食の長い経験を有する栄養教諭を、新たに立入調査指導員として、7月より委嘱しております。
立入調査では、調理ラインや衛生状況の確認、調理員の衛生研修をすでに行っており、今後は、配送及び配食の在り方や異物混入の際の確認・指導などを行うことになっております。
なお、立入調査の回数としては、これまでに、抜き打ちを含めて6回実施しております。
本報告の一部は、那覇市議会(令和元年9月議会)における答弁より引用しております。
市民の皆様へ
令和元年9月6日
市民の皆様へ
那覇市長 城間 幹子
市立こども園における給食提供に関する今後の方向性について
異物混入やアレルギー事故は、外部搬入による給食提供を行っている園で発生しておりますが、市立こども園の給食の提供は、設置者である市の責任であり、その対策のため、短期的、長期的な観点から危機管理上の対策を強化してまいりたいと考えております。
具体的には、異物混入が増加した昨年度より、栄養士による現場指導を実施しており、今年度はさらに、立入調査指導員を新たに委嘱するなどの対策をとるなど、事業者の指導を強化してまいりました。
それらの現在行っている様々な対策について、引き続き徹底して実施するとともに、長期的には危機管理の観点から直営施設での給食提供を拡充する所存でございます。
また、保護者や市民の皆様に対し、異物混入が発生した際は情報開示が必要だと考えており、学校給食を担う教育委員会と連携し、早急に指針等として策定してまいりたいと考えております。
なお、情報開示の具体的な方法としては、混入により給食の提供を停止した場合の速やかな説明機会の設定や、非危険物等については、ホームページでの取りまとめた公表などを検討しております。
ご心配をお掛けしました保護者の皆様や関係者の皆さまに対し改めてお詫び申し上げます。今後も、再発防止と安全・安心な給食提供に努め、市立こども園に通園する児童や保護者の皆様、市民の皆様に信頼される給食の提供を行ってまいりたいと考えております。ご理解を賜りますようお願い申し上げます。