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II.中心市街地の概況

1.中心市街地の範囲

中心市街地は、壺川等の業務地区を含む国道58号・329号バイパス・330号及び主要地方道那覇北中城線(又吉通り)に囲まれた範囲とする。同地域内には国際通りや平和通り、国道58号沿い、久茂地地区などの商業・業務地域を含み県内最大の商業・業務集積地となっている。さらに中心市街地の中において、国際通り、沖映通り、平和通り及びその周辺は沖縄県の中心的な商業・業務機能が集積している地域であり、その商業規模は中心市街地の大半を占める。中心市街地の活性化のためには那覇市の顔とも言える同地域の活性化が重要であり、そのためこのエリアを重点整備地域とし、早急に活性化を図ることにより、賑わい性を高めること及び定住化を促進することによって中心市街地全体に効果が波及することが期待される。

図II-1 中心市街地の範囲

2.中心市街地設定の根拠

(1)都市機能等が集積し都市の中心としての役割を果たしている地域

(2)今後、活力低下が懸念される地域

(3)当該地域の活性化が那覇市及び周辺地域の発展にとって有効かつ適切であると認めるような地域


3.中心市街地を取り巻く商業環境の変化

中心市街地における人口の推移をみると、中心市街地内の人口は36,499人(1998年)で、1985〜98年の間、ほとんどの町字で人口が減少、もしくは横ばいとなっている。さらに、1世帯当たり人員をみると、那覇市の世帯人員は年々減少傾向にあり、核家族化が進んでいることを裏付けている。特に中心市街地地区では、1世帯当たりの世帯人員は2.5人と少なく、他地区に比べて、核家族化の傾向が強い。

那覇市の中心市街地は、戦後自然発生的に形成されたこともあり、商業・業務地域の中に住宅が点在する住・商混在地域である。そのため、本地域では住環境の整備が遅れており、これが定住人口減少の一因になっていると考えられる。

このような地域内での人口の減少は、現在の中心市街地が、市民にとってあまり魅力の感じられない地域に変わりつつあることがうかがえるとともに、この傾向が続くとすれば、さらなる空洞化につながることも予想され、何らかの対策が必要であることを示唆している。

那覇市は、県内で最も人口が多く、また、商業集積が最も進んだ地域である。しかし、近年では、那覇市郊外あるいは近隣市町村での商業集積が進んだ結果、那覇市の商業力の相対的低下が指摘されている。那覇市は沖縄本島南部だけでなく中北部からも多くの来街者が訪れていることが、沖縄県「買物動向調査」等の調査により明らかにされているが、近年中南部に郊外型大型店の立地が相次ぎ、那覇市の顧客吸引力は減少傾向にある。特に本島中部の軍用地跡地利用として形成された北谷町美浜タウンは急激な成長を遂げており、本島中北部だけでなく、那覇市や本島南部も含む県内広域から来街者が訪れる地域となっている。

那覇市の隣接市町村である浦添市や豊見城村、本島中部の宜野湾市・沖縄市等には、今後も大型集客施設の建設が予定されており、地域間競争はますます激しくなっていくことが予想される。これからは、地域独自の特徴や文化を生かしながら、個性的な魅力づくりを展開しなければ地域の集客力を維持することは難しいと思われる。

つぎに、那覇市中心市街地における商業の動向についてみる。 表II-1および表 II-2は那覇市商業に関する主要データをまとめたものである。これによると、以下のように整理される。

前述したとおり、近隣市町村の商業集積の進展という「外的要因」に加えて、那覇市内においても郊外での商業集積が進むといういわば「内的要因」も、かつて商店数や年間販売額の6割、従業員数や売場面積の5割が集中していた中心市街地の商業集積地としての相対的地位を低下させる一因であることを示している。

表II-1 那覇市商業に関する主要データ


表II-2 項目別にみた中心市街地の占有率


4.交通の概況

(1)道路整備

中心市街地の道路網は、外周に位置する国道58号、国道330号、国道329号と、中心部を縦断する県道39号線(国際通り)の4本の幹線街路を骨格として構成されている。

これに対して補助幹線街路は整備が遅れており、対象地域の現在の道路率は4.69%、道路延長密度[1]は5.82km/km2と大変低く、幹線街路の機能を十分に補完できていない。

図II-2 道路幅員図

資料:「那覇市都市計画マスタープラン」那覇市都市計画部都市計画課

(2) 交通量の動向

主要幹線における12時間交通量は、3〜5万台と非常に多く、混雑度[2]も大半の路線で1.4以上と非常に高く、大変混雑している状況である。補助幹線街路でも、12時間交通量は、1万台以上の路線が多く、混雑度もほとんど1.0以上で混雑している状況である。

表II-3中心市街地周辺地域における道路交通量

(3)駐車場

中心市街地における駐車場は1,532件、収容可能台数の総計は20,345台で、駐車場当たりの平均収容台数は13.3台である。

特に、商業集積地区である牧志1丁目、牧志3丁目、松尾2丁目では、各収容台数が1,300台程度と、来街者に対して十分ではないため、駐車収容台数の拡大が課題である(牧志2丁目の駐車収容台数は、2,700台と他よりも多いが、これは民間による仮設駐車場を含むためである)。

壺屋やちむん通りのある壺屋1丁目の収容能力は1,360台程度で、駐車場当り6.1台と小規模なことから、乗用車による観光客の利便性の向上という観点からも、駐車収容能力の拡大が課題である。

表II-4中心市街地における駐車場の整備状況

資料:「駐車施設整備に関する基本計画策定調査報告書」、那覇市都市計画部都市計画課

(4) 歩行者交通量

中心市街地における通行量を時間ごとにみると、最も通行量の多いのは国際通り、中央部付近で三越向かいの平和通り入口前で、1時間平均で平日1,485人、休日で1,895人、午前10時〜午後7時までの合計では、平日13,365人、休日で17,053人の通行量がある。

通行量の多くは三越からOPA、山形屋までの区間(中心部)に集中している。多くの来街者が駐車場が密集した地域へ車を駐車し、国際通りへアクセスするため、沖映通りや安里地区、国映館前まで通行が連続していない。通行量でみると、国際通りはパレットくもじ付近と、三越・OPA・山形屋付近、および安里地区の3つに分断された形となっており、これらをいかに連結し、回遊性を高めるかが課題といえる。

平和通りは新栄通りから人の流れが連結しており、開南交差点付近から三越前入口へ近づくほど通行量が増加する傾向にある。また、沖映通りは中心部につながっているものの通行量は非常に少ないため、都市モノレールの駅前開発と関連させた中心部との導線の強化が今後の課題といえる。

表II-5中心市街地内における通行量

(5)仕入れ・搬入の問題点

仕入れ・搬入について、中心商店街に立地する商店主を対象にアンケートを行なったところ、問題点として、最も多かったのは「店の近くに駐車スペースがとれない」50件(59.5%)であった。次いで「渋滞などにより搬入に時間がかかる」23件(27.4%)、「商品をストックする充分なスペースがない」23件(27.4%)、「搬入・仕入れを行なえる時間に制限がある」22件(26.2%)、「店から倉庫までの距離が離れている」16件(19.0%)、となっている。

図II-3 倉庫の保有状況別仕入れ・搬入の問題点

資料:「仕入れ・搬入に関するアンケート」那覇市経済文化部経済政策課

5.中心市街地の課題

(1)商業

(2)交通環境

(3)住環境の整備

(4)公園の整備

(5)文化情報機能の再生と情報通信の集積

中心市街地は、戦後沖縄の文化情報発信の地として、大衆娯楽の映画館、劇場が集まり、県民の文化活動の舞台となって、常に新しい市民文化情報で賑わう場となってきた。現在もなお、映画館、パレット市民劇場、那覇市民ギャラリー等が活動しているが、近年その文化情報発信機能は相対的に低下しており、その再生を図る必要がある。

また、情報化の進展にともない、この地域における情報インフラの整備促進が求められるとともに、情報通信システムによる地域活性化策を展開する必要がある。特に情報システムによる商業手法の高度化、新しい産業の創造、地域情報の発信、商業広告、案内など、商業活性化に直結する分野をはじめ、情報システムによる業務機能の集積が課題となっている。


[1] 中心市街地の幹線道路総延長/中心市街地面積
[2] 混雑度は調査の交通量に対する交通容量の比である。
混雑度=交通量(台/12hまたは24h)/交通容量(台/12hまたは24h)

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