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8月の市長メッセージ


- 「魂魄の塔」にみる平和の原点 -

青空に白い雲。騒々しいセミの声。暑い日差しの中、道行く人も日陰を選んで歩きたくなる、そんな夏の最中ですが、今年もヒロシマ、ナガサキの原爆の日、そして8月15日の終戦記念日がやってまいります。

沖縄では、去る6月23日に慰霊祭が行われましたが、今年は春に北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射したり、核実験を行ったりしたこともあって、たいへん平和に対する危機意識が高まってきております。

私は日本非核宣言自治体協議会の副会長でもありますが、戦後の東西冷戦構造も液状化が進んだ今こそ、イデオロギーの対立を乗り越えた平和への施策が強く求められているのではないかと思っております。

さて、個人的な話になりますが、私の父・翁長助静は、沖縄戦の戦没者を供養するため建てられた「魂魄の塔」の命名を行い、御霊の冥福を祈り歌碑を詠んでおります。

この「魂魄の塔」は、沖縄戦で米軍に保護・収容された真和志村民が、その地に散乱する遺骨を軍民、敵味方を問わず住民の発意で収集し葬ったものです。塔の建立に込められた住民の思いは、イデオロギーとは無縁の慰霊の心であり、平和への切実な願いだったにちがいありません。

戦火で荒れ果てた地に散乱する遺骨を前にした時、沖縄戦を生き延びた私たちの先輩は、軍人の遺骨だからとか、憎むべき敵・米兵の遺骨だからとかいうわだかまりを持つことなく、誰に看取られることなくこの地で死んでいった者への哀悼の気持ちと、死者は丁重に弔わなければならないという真摯な思いをもって対応したと思います。これこそが、私たち沖縄県民、那覇市民の慰霊の心の出発点ではないかと思います。

父は生前、「政治の原点は、平和なんだ。」と語っておりました。この言葉は、この「魂魄の塔」建立の経緯とともに、私の政治活動を支える原点となっております。

私たち沖縄県民の究極の願いは平和であり、イデオロギーの対立ではないはずです。基地の整理縮小など、多くの難しい問題を抱えている沖縄、そして那覇市が、未来に向け発展していくためには、このイデオロギーの対立を乗り越えて、平和への思いで結束していくことが必要だと思っております。

和魂(にぎたま)(平和への魂)となりて

しずもる おくつきの(お墓)

み床の上をわたる 潮風

翁長助静詠(魂魄の塔碑)

終戦から64年もの歳月が過ぎましたが、市民の皆様とともに、心から世界の平和を祈って今月の市長メッセージといたします。

平成21年8月1日
那覇市長 翁長 雄志


更新日:2009年8月3日

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