平成22年度(2010年度) 施政方針
平成22年(2010年)2月那覇市議会定例会の開会にあたり、予算案をはじめとする各議案の説明に先立ち、私の市政運営に関する所信を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
市政運営の基本姿勢
(10年目の新たなる決意)
十年一昔。移り変わりの激しい世の中にあって、十年という歳月はひとつの区切りとして用いられます。私が市政の舵取り役を任されてから、はやその区切りの年を迎えることになりました。
うず高く積み上げられた課題を抱えての船出ながら、多くの皆様のお力添えにより、この大海原を今日まで着実に前進することができたものと振り返ります。
これから先も、決して南風の吹く穏やかな日々ばかりが続くわけではないでしょう。しかし、どんなに逆風が吹こうとも、ここで立ち止まるわけにはいきません。
10年目の節目の年を迎え、改めて初心に立ち戻り、市民の皆様の笑顔を追い求める決意を新たにしました。羅針盤が指し示す「風格ある県都・那覇」に向け、全力を挙げてこの大海を渡りきりたいと思います。
(激動の政権交代を迎えて)
平成21年は国内外において、激動の一年でありました。特に、政治的には大変大きな動きがあったと記憶に残ります。米国では史上初めて、アフリカ系アメリカ人の大統領が誕生し、国内にあっては、本格的な二大政党制の到来を予感させる新しい政権が生まれました。
私自身も、かつて、変革を訴え、市政の担い手となった身であります。登山ルートはそれぞれ異なろうとも、目指す山の頂はひとつであり、それは、まぎれもなく人々の幸せを追求することであります。今回の政権交代は、主権者である国民の厳粛な審判として尊重されるべきものと考えています。
マイノリティ出身の米国大統領の誕生は、我が国に、そして、小さな島ながらも、基地問題をはじめ超大国米国と決して無関係ではないこの沖縄に、一体、何をもたらすのか。また、国民が初めて体験する本格的な政権交代は、地域主権を強く唱えながら、その一方で、疲弊する地方の切実な声にどう向き合ってくれるのか。
期せずして、時を同じく実現した日米両国の政権交代のゆくえを大きな関心を持って見守りたいと思います。
(平和への想いと信念の行動)
先の「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」では迷うことなく共同代表に就きました。様々な思惑が絡み合い、複雑な様相を呈していたこの大会で、保守系政治家の私が、その役回りを引き受けたのは何故なのか。その想いを率直にお伝えしたいと思います。
平和に対する私の想いは、保革の立場を超え、誰よりも強いと自負しています。教科書検定意見の撤回に向けて先頭で怒りの拳を突き上げたほか、米軍ヘリ墜落事故の直後には、真っ先に現場に駆けつけ、その後の抗議集会にも一県民として加わりました。
先の大戦で焦土と化した我が県は、復興に向け歩み始めた時、常に、平和と経済の非情な二者択一を突きつけられてきました。このことは白黒闘争として、地域社会を二分したばかりでなく、時に、家族といった最も近しい人々の心を引き裂く残酷な結果をもたらしました。
戦後64年を経た今なお、沖縄は基地問題に翻弄されています。基地を挟んで右と左でいがみあうのではなく、沖縄県民の心をひとつにしなければなりません。この怒りの声をぶつける相手は誰なのか、答えは明白ではありませんか。私達に責任を転嫁することなく、政府の責任において、この問題を着実に解決するよう強く訴えます。
(地域主権社会に応える中核市を目指して)
今、この国の「かたち」が大きく変わろうとしています。中央集権体制から地方分権体制へ舵が切られました。この流れは、将来的な道州制の議論をも含め、今後も大きなうねりとなることでしょう。
これからの時代は、それぞれの自治体の個性や力量が住民福祉のありようを大きく左右するものと考えています。言葉を換えれば、自治体間競争の時代ともいえ、今後の対応の如何によっては、私達の存在意義さえも厳しく問われるものと覚悟しています。
住民に身近な自治体として、新しい時代に向き合う「確かな力」を備えなければなりません。大きな可能性が広がる地域主権社会にあって、新たな役割と責任を果たしうる中核市への移行を目指すことを決意しました。
県都としての自信と誇りを胸に、職員の総力をあげて中核市移行を実現し、これまで以上に特色のあるまちづくりを進めていきたいと思います。
(新しい価値観の創造に向けて)
最近の世相に接するたびに、ある言葉が心に染み入るようになりました。「いい暮らしより、楽しい暮らしを」齢90を余る人生の大先輩から贈られた言葉です。
人々は物質的に満たされた「いい暮らし」を追い求め、身の周りには急速にモノが溢れだしました。一見、大変豊かに見える生活ですが、その一方で、多くのモノが失われています。他者や地域との心の繋がりが希薄になり、文化や伝統をないがしろにする風潮が広がりました。
右肩上がりの経済成長が終焉した今日の成熟社会にあって、私達の生活のありようも大きな転換点を迎えています。今こそ、これまでの「いい暮らし」に代わる新しい価値観が求められているのではないでしょうか。それが「楽しい暮らし」にほかならないと考えています。
「楽しい暮らし」は、物質的な豊かさばかりに心を奪われるのではなく、人々や地域との深い絆のなかに新たな喜びを見出す生活です。そこでは、何気ない日常のひとコマにでさえも、自らの果たすべき役割と意義が認識され、大きな充足感に包まれることでしょう。人と人とが支えあう、人と地域が支えあう、それぞれの固い絆のなかに真の豊かさが感じられるものと思います。
「いい暮らしより、楽しい暮らしを」 人々の価値観を計る新しい物差しとして、この世の中に、ひときわ輝きを放ちます。新しい一歩を踏み出すためにも、この言葉を深く心に刻みたいと思います。
(まちづくりと人々の息吹)
沖縄の野球人にとっての聖地であり、戦後復興の歴史と時を重ねてきた奥武山野球場が生まれ変わります。
大きく張られた純白の大屋根には誰もがその目を奪われ、見上げる広大なスタンドに心が躍ります。かつてないスケールの新球場では、白球を追いながら新たな歴史と感動が刻まれていくものと期待が高まります。
太陽の光が燦々と降り注ぎ、青々とした天然芝が敷き詰められた自慢のフィールドでは、読売巨人軍の春季キャンプだけではなく、35年ぶりにプロ野球公式戦の開催が決まりました。間近に見る超一流のプレーの数々は、必ずや、こども達に大きな夢と希望を与えてくれることでしょう。
今、那覇のまちを見渡せば、そのほかにも、新しい顔が次々と生まれていることに気がつきます。大規模な市街地再開発の進展や道路網の整備、旅客船バースの完成など、奥行きのある魅力的な街並みが広がっています。
しかし、どんなに立派な都市基盤が整備されようとも、それだけで満足するわけにはいきません。そこに暮らす人々の熱い息吹が感じられなければ、まちづくりは成し遂げられたとはいえないからです。
その息吹は、やがて人々や地域を結び付け、このまちをさらに元気にする原動力になることでしょう。この両者が一体となった時、大きな目標である「風格ある県都・那覇」に、また一歩近づくものと確信しています。
(なは市民大学の挑戦と可能性)
この一年、初めての試みとして「なは市民大学」を開催し、本市の現状をありのままに説いてきました。
私が驚かされたのは、毎回、多くの参加者で賑わったからだけではなく、そこにまちづくりの新たな可能性を感じたからです。地域の課題を自らのこととして憂い、何かできることはないかと思案する姿が強く印象に残っています。その姿に、このまちを自ら支えようとする「市民力」や「地域力」のめばえを見ることができました。
かつて、米国大統領ジョン・F・ケネディは就任演説の中で「あなたの国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」と述べました。国という言葉を、地域や社会に置き換えれば、今の時代にも、十分に当てはまるフレーズとして響きます。
そこでは人々の熱い息吹の結集ともいえる「市民力」や「地域力」の発揮が強く望まれており、その根底では、私達の目指す協働のまちづくりにぴたりと重なることに気がつきます。
ひとりひとりにめばえた純粋な気持ちを育み、これからの協働のまちづくりに欠かせない「市民力」や「地域力」に高めていきたいと考えています。
(協働のまちづくりと5つのK)
高々と掲げた協働のまちづくりの旗印のもとに、多くの人々が集うようになりました。それぞれの尊い想いを協働に紡ぐ「職員力」も高まりつつあり、今では、様々な分野で協働の裾野が広がりを見せています。
浮き沈みの激しい今日の社会経済情勢をみるにつけ、私達の目指す協働のまちづくりには、一層、揺るぎない普遍的な重みが感じられるようになりました。
これからも市政運営の道しるべは、やはり協働のまちづくりでなければなりません。一番大きなKである「協働」のもと、「健康」「こども・教育」「高齢者」「環境」「観光」の5つのKを重点的に推進していきます。
まずは「健康」です。全国に馳せた長寿県・沖縄の名声は、今や過去の栄華となりつつあります。厳しい現実である「26位ショック」を克服しなければなりません。健康は何よりも「楽しい暮らし」の出発点です。全ての人々が充実した健康生活を営めるよう取り組みます。
つぎに「こども・教育」です。こども達の屈託のない明るい笑顔はおとな達を元気にしてくれます。子育て環境が激しく変化するなか、社会全体でこども達を温かく見守っていかなければなりません。次代を担うこども達の健やかな成長を育む取り組みを進めていきます。
「高齢者」も大切にします。高齢者の知恵や経験は今も色あせることなく私達に大きなヒントを与えてくれます。これからも地域社会の現役選手として、幅広い活躍が期待されています。高齢者の社会参加のしくみをつくり、その能力が社会で活かされるよう取り組みます。
「環境」は、絶対に欠いてはならない視点です。グローバルな環境問題も、普段の日常生活と無縁ではありません。美しい地球環境を次代に引き継ぐために、身近なところから行動を起こさなければなりません。地球市民としての自覚のもと、環境政策を着実に推進します。
また「観光」振興にも力を注ぎます。旅客船バースの供用やプロ野球春季キャンプの決定など、本市のリーディング産業に新たな可能性が生まれました。美しい自然に加え、独特の文化や風土は訪れる人を強く惹きつけます。このチャンスを形に変える取り組みを進めます。
(平成22年度予算編成)
次に、平成22年度予算案について、その概要を申し上げます。
一般会計予算は、1,239億6,200万円で、対前年度比96億800万円、8.4%の増となっています。企業会計を除く特別会計予算は、総額626億9,216万3千円、対前年度比31億5,451万6千円、5.3%の増となっています。
一般会計予算の歳出が前年度と比較して増額となったのは、義務的経費のうち、人件費や公債費は減額となったものの、子ども手当支給費や生活保護費などの扶助費が大幅な増額となったこと、また普通建設事業において、(仮称)天久小学校用地購入事業などの単独事業費が増加したことが主な要因となっています。
一方、歳入予算では、地方交付税や国・県支出金の増額に加え、臨時財政対策債や教育債など市債の増額を見込むものの、税収の落ち込みなどが避けられない状況となりました。このため、収支不足が見込まれることとなり、財政調整基金及び減債基金を約10億1千万円取り崩して対応しています。
なお、特別会計予算の増額の要因は、国民健康保険事業特別会計の保険給付費、介護保健事業特別会計の保険給付費の増などによるものです。
主要事業の説明
次に、平成22年度(2010年度)に実施する主な事業について、第4次那覇市総合計画の6つの都市像に沿ってご説明します。
「心地よいつながりでつくる自治・協働・平和都市」
(協働によるまちづくり)
市民力を活かした市政運営を実現するため、「跳びだせ!市長室」「Do協働!それ行け営業部長」などを継続し、市民との対話の機会をつくりだすとともに、引き続き、なは市民大学を行います。
幅広い市民参加を促すため、小学校区を基本的なエリアとする小学校区コミュニティモデル事業を実施し、自治会やPTA、民生児童委員など地域の様々な団体が連携する、まちづくり組織を立ち上げます。
首里支所を久場川地区へ移転するとともに、地域コミュニティ機能の充実化を図り、協働によるまちづくりの地域拠点施設として整備します。
(幸せ感のあるまちの創出)
人権啓発活動を行う市民団体などを支援し、人権擁護に関する情報提供や相談体制を充実させるとともに、学校教育をとおして、児童の人権意識を高める取り組みを進めます。
(平和交流・男女共同参画)
旧軍飛行場用地問題の解決に向け、鏡水地区の地域活動の拠点となり、災害時の避難場所としての利用も可能となる(仮称)鏡水コミュニティセンターの建設工事に着手します。
第3次那覇市男女共同参画計画に基づき、DVやセクシャル・ハラスメントに関する相談窓口のより一層の充実化を図ります。
沖縄県人のハワイ移民110周年及びホノルル市との姉妹都市提携50周年を記念し、両市で記念式典を行い、国際交流を深め一層の友好親善を図ります。
平和を希求する市民の心を広く内外に発信することを目的に、児童生徒が参加する那覇平和芸術祭を開催します。
(市民に開かれた効率的な行政)
住民記録や市税などの基幹業務を支える情報処理システムの安定的な運用を図り、安全性の高い業務情報サービスを提供します。
インターネットの活用による粗大ごみの回収受付や証明書自動交付機による公共施設使用料の納付など、利便性の高い住民サービスシステムの構築を進めます。
市民サービスや事務効率の向上を目指し、本庁舎、銘苅庁舎、教育委員会庁舎を統合した地下2階・地上12階の新庁舎建設工事に着手します。建物を緑化し、誰でも使いやすいユニバーサルデザインを取り入れるとともに、災害時の活動拠点となり市民の安心・安全を支える庁舎として整備します。
組織機構の改正では、簡素で分かりやすく、効率的かつ効果的な組織づくりを目指すとともに、中核市移行に向けた具体的な検討を進めるため、行政経営課内に中核市移行準備室を設置します。
「地域力を活かし、生きがいをもって支えあう健康都市」
(健康づくりと地域医療の充実)
健康で長生きという生活の質の向上を目標にする健康なは21(後期計画)に基づき、生活習慣病の予防を中心とした各種事業を推進します。
保健ボランティアの活動を支援するとともに、保健師や栄養士等による相談・教育・訪問指導を充実させ、市民と協働した健康づくりに取り組みます。
特定健診受診率を高めるため、未受診者に対する戸別訪問を強化し、自治会や通り会、NPO等と連携した積極的な受診勧奨を行います。
後期高齢者の健康管理を支援するため、引き続き、各種がん検診の自己負担額の全額助成を行います。
市民が求める地域医療を提供するため、地域の医療機関やかかりつけ医に関する情報提供に努めるとともに、那覇市立病院を含む病院輪番制による救急医療体制の維持を図ります。
(ユニバーサルデザインのまちづくり)
建物等のバリアフリー化を図るほか、福祉のまちづくり推進員との協働により、高齢者や障がい者等への理解を深め行動を促す心のバリアフリーを推進します。
様々な店舗等において、すべての人にやさしいサービスが広まるよう、市内事業者を中心にしたサービス介助セミナーを開催し、併せて、こどもたちを対象としたバリアフリーセミナーを行います。
(地域の支えあい)
第2次地域福祉計画に基づき、民生児童委員等の地域福祉の担い手の拡大を図るとともに、地域の福祉課題を解決するため、「支え合いの輪づくり」に取り組みます。
公民館や集会所などで行われる地域ふれあいデイサービスの活動回数を拡大し、高齢者の健康づくりや仲間づくりを進めます。
(自立を支援するサービス提供)
発達障がい児等を支援するコーディネーター事業を行い、その家族を含めた支援体制づくりに取り組みます。
聴覚障がい者に対する手話通訳奉仕員派遣事業を充実させるため、人材確保に向けた養成講座を開設します。
ホームレスの自立を促し、巡回相談を継続するとともに、NPOとの連携により居宅確保や就労に向けた支援を行います。
70歳以上の市民を対象とするモノレールの高齢者公共交通割引制度を継続し、高齢者の気軽な外出を支援します。
「人・自然・地球にやさしい環境共生都市」
(地球環境への配慮)
地球温暖化対策や都市景観向上の観点から、引き続き、屋上壁面緑化を推進するとともに、緑のカーテンの拡大を図ります。
緑を生活に取り入れるきっかけづくりとして、小中学校をはじめとする身近な公共施設の緑化に取り組みます。
住宅用太陽光発電の導入を促すとともに、エコアクション連続講座を開催するなど、啓発事業を充実させ、温室効果ガス削減に向けた取り組みを進めます。
(資源循環型社会)
ごみ減量・資源化推進事業やリサイクルプラザ啓発推進事業を継続し、持続的な発展が可能となる資源循環型社会の構築を目指します。
旧ごみ焼却施設の跡地に建設が進められている(仮称)資源化推進センターを完成させ、分別や異物除去などの中間処理を行い、ごみ資源化を促進します。
(自然環境の保全・再生・創造)
自然観察などの環境学習会や河川の清掃活動などをとおして、身近な自然に親しみ快適環境を創造する意識や関心を高めていきます。
樹木の調査などを行う自然環境保全・再生事業を継続し、緑豊かで良好な住環境の創出を図ります。
(衛生的な環境の確保)
飼い犬の登録を呼びかけるほか、狂犬病予防接種率の向上にむけた取り組みを強化し、併せて、空き地等の適正管理を進め、衛生的な環境の確保に努めます。
動物愛護の精神を高め、動物を正しく理解し、適正に飼育するための啓発活動を行います。
「子どもの笑顔あふれる、ゆたかな学習・文化都市」
(生涯学習と地域の教育力の向上)
生涯学習の拠点施設となる(仮称)牧志・安里公民館図書館の整備に向け、市街地再開発ビルの保留床の買取りを進めるとともに、プラネタリウム設置工事や施設の内装工事に着手します。
平成22年度全国高等学校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」が開催され、本市では、テニスなど6競技7種目の大会が行われます。
ボランティアで加わる高校生を中心に関係者の熱意と創意工夫により、全国から訪れる多くの選手団に喜ばれる真心のこもった大会運営を目指します。
奥武山野球場及び屋内運動場は、市民のスポーツ・レクリエーションの場並びに各種文化イベント及び国際交流の場として幅広い活用を図ります。
(子育て支援と就学前教育・保育)
新都心地区に幼稚園と保育所を一体化した総合施設の建設を進めるとともに、市立幼稚園での2年保育と午後の預かり保育を拡充します。
待機児童の解消に向け、引き続き、認可外保育施設の認可化や老朽化した認可保育園の増改築を進めます。認可外保育施設に対しては、牛乳支給や給食助成をはじめとする各種支援策を継続します。
つどいの広場を拡充するとともに、こんにちは赤ちゃん事業を継続し、支援が必要な家庭に対する適切なサービス提供を図ります。
(子どもの視点に立った環境づくり)
次世代育成支援行動計画(後期計画)に基づき、ソフト、ハードの両面で、子ども達の発達段階に応じた、きめ細かい施策を幅広く展開します。
子どもの安心・安全な居場所の確保のため、学校などへの放課後児童クラブ室の設置を推進するとともに、放課後子ども教室の未実施小学校区への拡大を図ります。
不登校や学校生活に適応できない児童生徒や保護者のため、教育相談員を増員し、支援体制を強化します。
伝統文化である旗頭を中心に、地域の人材や活力を教育活動に取り込み、子ども達の出番づくりを進めながら、やる気・元気旗頭フェスタを継続します。
学校施設整備については、古蔵小学校校舎改築を完成させるとともに、新設校となる(仮称)天久小学校の建設に着手し、銘苅小学校等の共同調理場の整備を行います。
学校教育については、教育課程特例校を申請し、小学校英語教育をはじめとする学習指導の充実化を図り、併せて、小中一貫教育モデル校の設置に向け、引き続き、学校運営や教育内容についての調査研究を進めます。
(文化の継承と発展)
国の名勝指定を受けた伊江御殿別邸庭園の整備に向け用地取得を図るとともに、国指定重要文化財・新垣家住宅の解体保存修理事業を継続して行います。
那覇空港拡張整備に向けた総合調査の一環として、引き続き、大嶺地区の埋蔵文化財分布調査を行います。
伝統文化の継承と新しい文化の創造を図るため、創作エイサー団体の競演による「太鼓フェスティバルinなは」を開催します。
市立小中学校の校歌着うた配信事業は、これまでに配信した24校に続き、残り29校を含めすべての校歌の配信を行います。
「人も、まちも活きいき、美ら島(ちゅらしま)の観光交流都市」
(産業の振興)
中小企業の支援策として、小口資金融資事業や緊急保証制度により、経営基盤の強化や雇用の維持、確保に努め、併せて、(仮称)那覇市中小企業振興基本条例の制定に取り組み、中小企業の振興を図ります。
ふるさと雇用再生特別交付金の活用により、伝統工芸館における外国人観光客の受入対応事業を強化するほか、地元ガイドとともに地域の隠れた魅力を見てまわる「まち歩き観光」を充実させます。
農水産業の支援のため、各種助成事業を継続するとともに、担い手を育成し地産地消を奨励します。
経済活性化と雇用創出を図るため、IT創造館を活用したIT関連企業の誘致を進めるとともに、県と連携しながら那覇空港での新貨物ターミナル事業を支援します。
那覇ハーリーや那覇まつりなどのイベント活用に加え、クルーズ船受入態勢を強化することにより、国内外の観光客を積極的に誘致します。
奥武山野球場を新たな経済活性化の資源として活用するため、こけら落とし関連事業を行うとともに、プロ野球のキャンプや公式戦開催を支援します。
(まちの活性化)
地元商店街や通り会等の創意工夫による提案事業の実現に向け、頑張るマチグヮー支援事業を拡充し、マチグヮーの活性化に取り組みます。
安心・安全なマチグヮーづくり協議会を開催して快適な街を目指すとともに、国際通りや沖映通りを中心に路上喫煙防止事業を継続し、喫煙マナーの向上を図ります。
第一牧志公設市場は、市場関係者や周辺通り会との協議を進めながら、引き続き、再整備のあり方について調査、検討を進めます。
(就労支援・相談体制)
なはし就職なんでも相談センターを拠点とした就職相談や各種就職支援セミナーの開催などをとおして、市民のニーズにあわせた就職支援を行ないます。
地域若者サポートステーションの運営を支援し、地域の若者の自立支援に向けた取り組みを強化します。
緊急雇用創出事業などを積極的に活用し、企業との協働による新たな雇用創出に取り組みます。
「安心、安全で快適な亜熱帯庭園都市」
(都市防災と防犯)
特別救助隊に地震警報機を整備し高度救助隊への移行を図るとともに消防緊急通信指令システムを更新し、市民の安心・安全の向上に取り組みます。
災害時の応急給水対策として、給水タンク運搬用車両を購入するほか、地震対策として、下水道管渠等の改築更新を行います。
自主防犯ボランティア連絡協議会の防犯活動を支援するとともに、特に飲酒運転による交通事故の撲滅に向け交通安全運動に取り組みます。
(市街地の整備)
市民文化の拠点施設である市民会館の早期建替えに向け、整備基金の設置など具体的な調査・検討を進めます。
活力ある中心市街地の再生を図るため、市街地再開発事業の支援を継続するとともに、農連市場地区では、本格的な整備に向けた測量や建物調査などに着手します。
真嘉比古島第二地区では、引き続き、土地区画整理事業を推進し、地区内の道路整備として真和志中央線の供用を開始します。
市営住宅建替事業では、久場川、石嶺、宇栄原の各市営住宅で、合計516戸を完成させるとともに、引き続き、それぞれの計画に沿って、建設を推進します。
大名市営住宅では建替えに向けた基本設計に着手し、併せて、他の市営住宅では、耐震診断を実施するなど、適切な維持管理を図ります。
(交通体系の整備)
誰もが移動しやすいまちをつくるため、引き続き、カーフリーデーを推進するとともに、那覇市公共交通総合連携計画の策定に着手します。
都市モノレールの延長整備に向け、首里駅から延長する区間について都市計画決定等を行い、首里石嶺地区の利便性の向上に取り組みます。
交通渋滞の緩和や安全で快適な歩行空間を確保するため、石嶺線など6路線の幹線道路を整備するほか、バリアフリーに配慮した身近な生活道路の整備を行います。
道路橋の老朽化に対応するため、長寿命化修繕計画を策定するとともに若松橋の改修に着手します。
(上下水道の整備)
安全でおいしい水道水を安定的に供給するため、区画整理地内の配水管布設工事や国道330号での配水管布設替工事を行います。
効率的な水運用を図るため、引き続き、配水区域を細分化して管理する中ブロック化に取り組みます。
下水道事業では、真地、首里及び真嘉比地区等での汚水管布設整備を継続するとともに、浸水対策として、牧志及び具志地区等で雨水施設整備を推進します。
(自然と調和したまちなみ)
公園整備事業については、防災機能を備えた新都心公園の整備をはじめ20か所の都市公園・緑地の整備を推進し、良好な都市空間の創出を図ります。
地域にあった街並みをつくるため、景観法に基づく景観計画を策定し、景観地区の指定に向けて取り組みます。
首里金城地区、壺屋地区、龍潭通り沿線地区においては赤瓦屋根や石積みなどへの助成事業を継続し、歴史に彩られた那覇を演出していきます。
以上、平成22年度(2010年度)の市政運営にあたり、私の所信の一端を申し上げ、予算案や主要事業の概要などについて述べてまいりました。
世界的な大不況は、我が国経済を長く低迷させ、市政を取り巻く環境にも大きな影響を及ぼしています。
今後も、様々な局面で難しい舵取りが迫られるものと覚悟しますが、ピンチをチャンスに変える強い意気込みのもと、子や孫の代に夢と希望が大きく膨らむまちづくりを進める決意であります。
これからの市政運営について、市民の皆様ならびに議員各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、私の施政方針といたします。
平成22年2月16日
那覇市長 翁長雄志
