平成18年度(2006年度) 施政方針
平成18年(2006年)2月那覇市議会定例会の開会にあたり、予算案をはじめとする各議案の説明に先立ちまして、私の市政運営に対する所信を申し上げ、市民の皆様はじめ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
市政運営の基本姿勢
(はじめに)
地方自治体は、三位一体の改革や地方分権の流れの中で、「自己決定」、「自己責任」により、大胆に行政運営に取り組むことを求められています。
そのため、自治体の創意工夫や力量により、地域のまちづくりや住民サービスのあり方など、自治体間で格差が生じる時代になっています。
私は、この改革の時代を好機ととらえ、時代の行く末をしっかりと見据え、新たな時代に向け一歩一歩着実に「風格ある県都・那覇」をめざし、諸施策に取り組んでいく考えです。
また、「市役所は市民に対する最大のサービス産業である」という一貫した信念を持って、常に市民の目線に立ち、市政運営に取り組んでいきます。
私は、これからの行財政運営のあり方として、市民の皆さんと情報を共有し、一緒に考え、協力して、ともに行動すること、つまり「市民との協働」が、地域課題解決に向けたキーワードだと考えています。
(協働のまちづくり)
本市の長年の課題でありました新焼却炉が完成し、来る4月1日から本格稼働することになりました。
私は、新焼却炉の建て替えにむけて、地域の皆さんと何度も膝を交え、意見交換をすることで、ご理解とご協力を得て、建設することができたと考えています。
また、市民の皆さんのご協力により達成した門口収集、ごみ袋の有料化などにより、ごみの減量化を図ることができ、市の財政にも大きな節減効果を生み出しました。
このことから、市民と行政の連携のあり方、市民と行政の「協働」のあり方がいかに重要であるかを痛感しました。
これからのまちづくりは、市民の皆さんと行政の協働の推進で、創られていくのだと確信しています。
昨年4月から始めた「出前トーク事業」は、各自治会などに出向き、これまでに14回開催しました。地域の皆さんと膝を交えて話し合い、市民と行政の協働の重要性について私の想いを伝え、多くの方々のご意見を伺ってまいりました。
市民の皆さんとの話し合いの中から、公園の管理や道路ボランティア、通学路の防犯パトロールなど、協力していただくことになりました。
また、企業の方々とも道路および公園ボランティアとして、道路・公園の美化等について協定を結ぶなど、市民、企業の皆さんが、積極的に地域づくりに関わるようになっています。このことから、協働のまちづくり事業が、着実に広がっていると認識しています。
さらに地域の皆さんが、まちづくりのための「担い手」として参加していただくために、どのような事業が市民との協働でできるのか、具体的なメニューを示しながら、取り組んでいきます。
(次代を担う子どもの育成)
市長就任以来、安心して子どもを産み、子どもがすくすくと育つ環境を整えるためには、「こども」や「こどもを育てる人」の視点に立った支援が重要と考えています。
そのため、「次世代育成支援行動計画」を策定し、保育所の待機児童の解消を図る施策や、市営住宅の多子世帯優先入居など、さまざまな施策を重点政策として取り組んできました。
今年度は、これまで進めてきた子育て支援の取り組みに加え、就学前の子どもたちへの効果的で、効率的な行政サービスを提供するため、関連事務事業を一元的に所掌する組織として「こどもみらい局」を設置します。
「こどもみらい局」では、保育所(厚生労働省)と幼稚園(文部科学省)という、国の二元行政の壁を越え、本市の実情に即した子育て支援策について、課題や問題点の整理を行いながら、順次、実施していきます。
また、「こどもみらい局」は、子ども支援の施策を一元的に所掌する部署となりますので、本市の実情にあった様々な市民ニーズへの対応が、より迅速かつ効果的に実施することができます。
現代は、社会を担う人づくりが重要な課題です。これからの子どもたちが夢をもち、国際人として羽ばたく環境づくりとして、過去3ヵ年間、県補助を受け、全小学校の英語教育研究開発事業を研究校として実施してきました。
今年度からは、県補助が廃止となりましたが、同事業は、重要な施策と考え、単独事業として、再度研究校指定を受け、引き続き実施していきます。
学校適正配置については、市民の皆さんの様々な意見があり、学校・地域の皆さんと、それぞれの地域が今後どうあるべきかを議論する中から、その方向性を見いだしたいと思います。
(行財政改革)
地方自治体は、国のいわゆる三位一体の改革等で非常に厳しい財政環境にあります。
本市においても、行財政改革への取り組みとして、単なる事業の削減廃止のみではなく、新たな時代に対応できる市役所をめざし、第1次那覇市経営改革アクションプランを策定して、「さわやか朝礼運動」や、市民サービスの向上を図るために市民課などの「窓口業務時間の延長」、「繁忙期における土日窓口業務の実施」に取り組んできました。
その結果、市民の皆さんからは、市民アンケート調査などで、「市役所は変わった」「職員の対応がよくなった」との評価をいただくことができました。
また、市職員の定数は、平成13年度3,189人から平成17年度2,959人と、職員の理解と協力で4年間に230人削減することができ、大きな節減効果を生み出しました。
今、地方自治体の行財政改革は、地方分権の流れと財政的な厳しさが増してきていることなどから、さらなる改革が求められています。
総務省の「地方公共団体における行政改革のための新たな指針」(平成17年3月)では、5カ年間で職員定数の4.6%以上の削減などが示されています。
このようなことから、公民の役割分担、市民との協働の推進、費用対効果を意識した事業の民間への移譲等に、新たな課題を加えて、平成21年度までに取り組むべき「第2次那覇市経営改革アクションプラン」を策定します。
今年度から同プランに基づき、効率的な行政運営をめざし、行財政改革を積極的に取り組んでいきます。
土地開発公社の長期保有土地、いわゆる塩漬け土地の解消については、銘苅小学校用地の取得などで約191億円まで解消することができました。しかしながら、残りの土地については、事業の目処がたたないため、将来の財政負担が憂慮される状況にありました。そのため、「土地開発公社の経営の健全化に関する計画」(5カ年計画)により、平成17年度末約138億円まで解消します。今後も同計画に基づき、解消に向け取り組んでいきます。
(公民の役割分担)
民間の能力を活用しつつ、市民サービスの向上を図るため、事務事業を民間事業者などへ、積極的に委ねていきます。 また、厳しい財政状況の中、活力ある地域社会を建設するためには、市民の皆さんの市政参加と相まって、公と民との役割分担の見直しが必要と考えています。
このことから、「民にできることは民に委ねる」という考えに基づき、那覇市IT創造館ほか34施設に指定管理者制度を導入するとともに、学校給食調理業務の民間委託を推進します。 また、小禄保育所と与儀南保育所については、民間へ施設を移譲します。
(平和と国際交流―在日米軍再編協議)
本県の米軍専用施設は、全国の約75%を占めており、沖縄国際大学や伊計島沖の墜落事故のように基地があるゆえの危険と隣り合わせとなっています。
在日米軍再編協議については、目に見える形での基地の負担軽減という地元の期待に沿うよう、また、わが国の国防の根幹である日米安全保障体制は、それを支える地元の安定あってこそ、成り立つものであることを県と連携して、日米両政府に対し強く要望していきます。
また、県都の首長の使命として、平和に対するメッセージを引き続き発信し、日米地位協定の早期改定などを粘り強く求めていきます。 国際交流拠点として重要な那覇空港については、県内の観光客数が、10年前の327万人から、昨年は550万人を突破し、さらに、将来需要の拡大も見込まれるなど、現在の滑走路では対応できないことが予測されています。
このことから、国や県と協力して地域の合意形成に努め、沖合展開を考慮した平行滑走路の整備検討を訴えていきます。
(平成18年度予算編成)
以上、市政運営の基本姿勢について申しのべましたが、続きまして、平成18年度予算編成にかかる主要な事業について、その概要を申しあげます。
平成18年度予算案は、一般会計が960億9,600万円で、対前年度比58億5,600万円、6.5%の増となっています。企業会計を除く特別会計は、総額約772億4,500万円で、対前年度比2.2%の増となっています。
平成18年度予算編成については、三位一体の改革の継続による厳しい財政状況のため、昨年度に引き続き、一般財源の一部を枠配分する方式によって行いました。
また、財源不足が見込まれることから、財政調整基金から約12億2,100万円を取り崩すことにしました。
厳しい財政状況の中においても、子どもたちの施策をはじめ、老朽校舎等の施設整備や市営住宅の建替など、市民生活に直結する施策等については、特に重点的に予算配分を行いました。
主要事業の説明
次に、平成18年度(2006年度)に実施する主な事業について、第3次総合計画の都市像に沿って説明します。
「市民がつくる自治都市」
(協働型まちづくりの促進)
市民参加の市政運営を推進するため、「跳びだせ!市長室」、「市民との協働“出前トーク”事業」、「市政懇談会」などを実施し、市民とのコミュニケーションの充実を基調とした公聴機能の拡大に努めます。 自治会および連合会組織に対し、各種支援を行い、その活性化を図るとともに、新たな自治会の設立支援に努めます。
NPOの自立支援を推進していくため、NPO活動支援センターの運営を支援します。 協働のまちづくり事業においては、市民・企業・各種団体と協働で、新たなメニューづくりに取り組むとともに、市が管理する道路の環境美化を図るため、道路ボランティア協定の締結を促進します。
(男女共同参画社会の実現)
第2次那覇市男女共同参画計画が、平成19年度に終了するため、さらなる男女共同参画社会の実現をめざし、第3次の策定作業に着手します。
「平和の発信都市」
(平和と国際交流)
10月に開催される「第4回世界のウチナーンチュ大会」に参加する那覇市関係者の歓迎交流会を実施します。また、那覇市・福州市友好都市締結25周年にあたり、友好親善訪問団を派遣します。 中国からの国際交流員の受け入れ、サンビセンテ市への職員派遣、福州市への児童生徒の派遣、ブラジルなど南米の那覇市出身者子弟の研修受け入れなど、引き続き国際交流の促進に努めます。
「住みよい生活都市」
(福祉・保健・医療)
「地域福祉計画」に基づき、市民や民生委員・児童委員、社会福祉協議会などと協働し、地域福祉の基礎となる支え合いを育むための「支え合いマップ」を作成することで、地域福祉の推進を図ります。
また、「次世代育成支援行動計画」に基づき、認可外保育施設の認可保育施設への移行による待機児童の解消、公立保育所2箇所の民営化など、保育サービスの充実を図るとともに、母子家庭の母および寡婦への就労支援など、子育て家庭等への支援および環境整備に、引き続き取り組みます。
4月に施行される障害者自立支援法に基づき、障害者の地域生活の支援を行うため、地域生活支援事業を実施します。また、障害者自立支援法の対象とならない、難病患者や小児慢性特定疾患児に対しては、日常生活用具給付事業を実施します。
4月からの介護保険法の改正に伴い、従来の基幹在宅介護支援センターを廃止し、総合相談や介護予防の推進窓口として「地域包括支援センター」を設置します。「地域包括支援センター」では、12箇所配置される地域相談センターと連携して、自らの健康は自らで維持する意識を喚起し、地域福祉の向上に取り組みます。
「健康なは21」推進に向けて、「市民大会」を開催し、「食関連プロジェクト」を実施します。さらに、「30代健診」の導入など、具体的に取り組みます。
病院事業については、患者サ−ビスの向上に努めるとともに、市民の健康に貢献できるよう医療スタッフの強化に努め、安定した質の高い医療を提供します。
また、臨床研修病院として医師の育成を図るとともに、国指定の地域がん診療拠点病院として、引き続き医療水準の向上に努めます。
(市街地の整備)
中心市街地の再生を図り、活力あるまちづくりを推進するため、「牧志・安里地区」の市街地再開発事業に着手し、引き続き「モノレール旭橋駅周辺地区」について事業実施を支援します。
また「農連市場地区」などの再開発事業等の事業化に努めます。 土地区画整理事業は、引き続き、真嘉比古島第二地区の良好な生活環境整備を推進します。
市営住宅については、久場川市営住宅建替事業の建設戸数484戸のうち、第1期工事の204戸の建設を継続します。
石嶺市営住宅建替事業では建設戸数1,152戸のうち、第1期工事150戸の建設に着手します。
また、第2期工事の建設戸数120戸の実施設計を行います。
宇栄原市営住宅建替事業では建設戸数1,004戸の基本設計、識名市営住宅建替事業では建設戸数85戸の実施設計などを行います。
(総合交通体系の整備)
持続可能なまちづくりと交通システムのあり方を検討するため、市民・企業・各種団体と連携し、生活の足を支える交通政策のフォーラムを開催します。
公共交通の利便性向上を図るため、「コミュニティバス導入計画検討調査」結果に基づき、可能性のある路線において実証実験を行います。
市民の良好な生活道路を確保するため、建築基準法第42条第2項に規定する2項道路の台帳整備を行います。
街路事業については、主要な幹線道路の整備として、新規事業で松山線、継続事業で石嶺線ほか6路線の整備を推進します。
道路事業では、道路新設改良事業として鳥堀12号のほか5路線の整備を推進するとともに、道路維持事業により道路の整備を推進します。 未買収道路用地については、引き続き買い上げを進めていきます。
(水の供給と処理)
上水道事業については、良質で安全な水を確保するため、市内一円の老朽化した送配水管の布設替工事を推進し、漏水と赤水(あかみず)発生の防止など、有効率の向上に努めます。
公共下水道の雨水事業については、浸水被害がほかの地域にくらべ著しい、識名・小禄・古波蔵地域を主(おも)に整備を進め、汚水事業については、真嘉比古島地区の土地区画整理事業区域および首里地域を重点的に整備します。
再生水利用下水道事業については、新都心地区において、引き続き配水管を整備し、再生水の安定的な供給に努めます。
より高い市民サービスの提供のため、上下水道局の市内に分散する施設を統合する新庁舎が、12月に完成します。
(都市の安全)
整備を進めていた西消防署の新庁舎が、本年3月に開所し、消防署の機能強化により、消防力が強化されます。
事故・災害に対応するため、救助工作車の整備を行うとともに、特殊な環境下でも救助活動を可能とする特別救助隊を設置し、救助体制の充実を図ります。
今年度から予防資格者制度が導入されることに伴い、火災予防の専門家の育成に努めます。また、6月から義務化される新築住宅への火災警報機の普及活動に、地域住民とともに取り組みます。
心疾患による突然死の危機の際に、救命器具として注目される「自動体外式除細動器(AED)」を、新たに本庁舎・銘苅庁舎・三支所など計11箇所の市の施設に設置します。
大規模災害発生時の市民被害を最小限に抑えるため、市民・企業・各種団体と連携し、自主防災組織の育成や民間事業所との協定による備蓄品の確保に努めます。
特殊地下壕で、陥没・落盤等が顕著で、建物などに危険度が増し、放置しがたいものの全部又は一部の埋め戻しなどを行います。
「美(ちゅ)ら島の環境共生都市」
(環境保全とゼロエミッション・廃棄物処理)
平成12年策定の那覇市環境基本計画を、新たな課題などを踏まえて見直しするとともに、異常気象の原因とも言われる地球温暖化への対策を推進します。
「那覇市地域新エネルギービジョン」の「クリーンエネルギー交通プロジェクト」の具体化のため、更新時において、市長専用車にハイブリッド車を導入します。
また、引き続き新エネルギーの導入促進と普及啓発に努め、住宅用太陽光発電助成事業も実施します。
今年度は、改訂版「ISO14001」に基づき、認証登録を更新し、環境に対する負荷の低減と環境保全をさらに推進します。
平成17年3月改定の「第2次那覇市一般廃棄物処理基本計画」に基づく新たなごみ減量資源化策として、草木の定期収集やびんの個別収集の徹底など、ごみ減量施策を実施していきます。
新ごみ処理施設「那覇・南風原クリーンセンター」は、4月から本格稼動になります。また、地域還元施設「環境の杜(もり)ふれあい」がオープンします。
新最終処分場「那覇エコアイランド」は、平成19年4月の供用開始に向け、建設を推進します。
し尿・浄化槽汚泥処理については、平成20年度の施設供用開始をめざし、今年度は実施計画の策定および建設に着手します。
(みどりと水辺と公園の整備)
公園事業は、総合公園や近隣公園など15箇所の都市公園・緑地の整備を継続して推進します。また、公園リノベーション整備事業で、機能低下および老朽化した公園の再整備を行います。
緑豊かで良好な住環境を創出し、都市景観の向上と地球温暖化防止対策等を図るため、屋上緑化の助成や花いっぱい運動推進事業など、各種緑化事業を引き続き推進します。
(都市デザインの実践)
歴史性や地域性の豊かな景観の保存・再生を図るため、都市景観形成地域に指定された首里金城地区、壺屋地区、龍潭通り沿線地区の景観形成に向け、助成事業や「街なみ環境整備事業」などを推進します。
「学び創造する文化都市」
(生涯学習の総合的推進)
地域の教育力を活かした学習や生涯学習の拠点として、城東小学校に地域・学校連携施設を整備します。
(幼稚園教育・学校教育の充実)
預かり保育については、これまでの6園から16園に拡大し、充実強化します。
学校の適正配置については、市民と意見交換しながら引き続き取り組みます。
隣接校選択制については、今年度から小学校の新入学児童を対象に実施し、中学校新入学生徒については、平成19年度導入に向けて取り組みます。
小学校の英語教育については、本市の英語教育の事例が、国の中央教育審議会において研究資料として活用されるなど、全国的に高い評価を受けています。また、国際社会で活躍する人材の輩出が期待できるため、引き続き、英語教育の研究開発を行います。
地域から学習支援ボランティアを募り、特色ある学校づくりの貴重な人的資源として、活用を図っていきます。
2学期制については、2年間の試行結果を踏まえ、市内のすべての公立幼稚園と小中学校で実施します。
中学校に「生徒指導サポーター」を派遣し、遊び・非行傾向の生徒に対して、継続的な学習支援活動や様々な体験活動を行うとともに、保護者・学校への支援も実施します。さらに、市民・関係団体などと連携し、協働による「やる気・元気ボランティア」の小学校への派遣を広げていきます。
老朽校舎の解消について、今年度は城南小学校・松川幼稚園の改築を行います。また、上山中学校の改築を行うための基本設計を行います。
(社会教育、スポーツ・レクリエーションの充実)
市民の豊かなスポーツライフの実現に向けて、スポーツ関係団体などと協働し、各種事業を開催するとともに、市民がスポーツを楽しむことができる総合型地域スポーツクラブの設立をめざします。
奥武山野球場の整備については、県内では初めて3万人の観客が収容でき、プロ野球公式戦が可能な市民球場として、実施設計を行います。
(家庭教育の支援および青少年の育成)
子どもに関わる活動を行う個人や、NPOなどの団体および組織のネットワーク化を図るとともに、その拠点整備と運営主体の設立支援のため、「那覇こどものためのデザイン事業」を進めます。
市内の中学生を県外へ派遣する「児童生徒県外交流事業」や、若者がつくる那覇のまち「プロジェクト未来なは」事業を継続して実施します。
また、青少年健全育成活動を積極的に推進します。
(伝統文化の保存と継承)
世界遺産である識名園、玉(たま)陵(うどぅん)については、管理面を強化し、併せて、識名園の排水環境の改善、伊江(いえ)殿内(どぅんち)庭園の保存・整備事業を継続して行います。
銘苅古墓群に関する歴史的・民俗的な確認調査に基づき、報告書を作成し、環境整備を推進します。
国の重要文化財を含む尚家継承文化遺産をはじめ、多くの歴史資料を公開し、市民・県民の教養、学術、文化の向上に寄与するため、「那覇市歴史博物館」を開館します。
(市民文化の創造)
「那覇市文化のまちづくりプラン」に基づき、市民参加型の文化事業を展開していきます。
青少年のための演劇ワークショップや芸術監督事業、演奏家と身近に触れ合うアウトリーチ事業、「市民芸術展」に加えて、今年度は、伝統文化継承のためのワークショップがスタートします。また、回を重ねるごとに参加者が増え、好評を得ている「平和芸術祭」や60回を超えた「お役所ライブ」も引き続き実施します。
「アジア・太平洋の自由交易都市」
(商工業の振興)
「にぎわい広場」を活用し、新しく商(あきな)いを志す人の支援・育成や、環境に配慮した商品の展示および情報発信を行うほか、地域と連携したイベントを行うなど、中心市街地の活性化を図ります。
IT関連企(起)業の支援、産業の振興と雇用の創出・拡大を実現するための企業の立地誘致を、引き続き積極的に推進します。
伝統工芸産業の振興・育成の拠点施設である「那覇市伝統工芸館」は、指定管理者制度を導入し、一層の経営健全化を推進します。
また、「那覇市ぶんかテンブス館」の文化活動支援や起業家支援の機能を活用し、「人材の育成」、「雇用の創出」、「中心市街地の活性化」を推進していきます。
(農水産業の振興)
農業の振興については、引き続き生産奨励のため各種施策を実施するほか、JAおきなわと協力し、地産地消にむけた施策展開につなげていきます。
水産業については、漁業生産条件の整備のため、沿岸漁業の資源回復を図る浮(うき)漁礁(ぎょしょう)設置(せっち)の補助や、低利融資など、漁業経営環境の安定化の支援を引き続き行います。
(雇用・勤労者対策の充実)
厳しい雇用状況の下、障害者の雇用の安定を図るため、新たに「障害者雇用安定化推進事業」を実施します。
また、若年者の就職支援を引き続き行います。
情報通信関係の人材育成を推進するため、市内の専門学校等で認定講座を修了した者に対して、資格試験の一部試験を免除する構造改革特区を申請します。
また、IT企業の人材育成を目的とした「モバイルサポート人材育成事業」も引き続き推進します。
なはし就職なんでも相談センターでは、就職活動中の皆さんを早期就職させるための「就職活動チャレンジセミナー」や、「就職特急」プログラムを実施するなど、効果的な雇用対策を展開します。
(港湾・空港の整備)
那覇港の開発・発展と利用の促進を図り、適正で能率的な管理運営を行うため、引き続き施設整備を促進し、「那覇港公共国際コンテナターミナル運営事業」の推進および若狭地先への旅客船専用岸壁の整備を図ります。
那覇軍港の跡利用については、地権者との協働・協調体制を図り、国、県、関係市町村で構成される「跡地対策協議会」を活用し、円滑な跡地利用の推進に取り組んでいきます。
一方、那覇空港は、現在、国と県が連携して那覇空港の整備拡張を含めた総合的な調査を進めています。
空港整備については、何よりも地域との合意形成が重要な要素であり、今後も国や県と協力して、同調査に取り組んでいきます。
「世界の人々(うまんちゅ)がゆきかう交流都市」
(観光の振興)
県内最大のハーリー「那覇ハーリー」、県内最大の祭り「那覇まつり」などのイベントを引き続き支援します。
また、県内外の若者がダンス交流を行う参加型イベント「沖縄ストリートスタイルフェスティバル」を、県民広場などの会場で開催し、観光客の誘致を図ります。
NAHAマラソンについては、台湾、韓国など国外参加者のさらなる拡大に向け、支援していきます。
市内での宿泊などを条件に、市職員の無償平和ガイドを提供する修学旅行平和学習ガイドについて、引き続き取り組んでいきます。
「行財政基盤、執行体制の強化」
今年度は、第2次那覇市経営改革アクションプランに基づき、今後の厳しい行財政環境に対応するため、公民の役割分担の徹底、市民との協働の促進などにより、一段とスリムな市役所をめざし、改革に邁進します。
また、就学前の子どもたちへ効果的・効率的なサービスを提供し、幼稚園と保育所に関する事務事業を一元的に担う「こどもみらい局」を新設し、「こどもみらい課」と「子育て支援課」の2課を配置します。
土地区画整理事業の効率化と重点化を図るため、真嘉比古島区画整理事務所と区画整理課を統合します。
活力ある市街地の再生に向け、総合的な企画・立案が出来るよう、都市再開発課と区画整理課の企画部門を統合し、「市街地整備課」を新設します。
第3次那覇市総合計画が平成19年度に終了することに伴い、これまでのまちづくりの成果の上に、市民との協働により、那覇の地域特性を生かした第4次那覇市総合計画の策定作業に着手します。
以上、平成18年度(2006年度)の市政運営にあたり、私の所信や主要な事業について、述べてまいりました。
これから、市政を取り巻く環境は、ますます厳しくなります。私は、31万市民に、住んでよかった・いつまでも住み続けたいと思われる「風格ある県都・那覇」を創造するため、今後も、全力を尽くす決意でございます。
市民の皆様ならびに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げ、私の施政方針といたします。
平成18年2月21日 那覇市長 翁長雄志
